« 怯えきっているエンデュミオン | トップページ | 黒ラブ君・参上♪ »

2005年4月 3日 (日)

生体オークション。。。

とあるオークションで先日落札した商品があった。出品者と連絡を交わしたが、何か今一つ相手の話しが飲み込めないまま、電話連絡を取った所「実は既にオークション開催中に商品を他に売却したので出品物はもう既に無い」との話を聞かされた。いずれのオークションの規約でもほぼ共通して言えるのだが、出品し落札された商品は落札者に渡すべきなのである。むろん代価をきちんと支払う落札者に対してという意味でだ。私は落札した商品の代金は商品を直接手渡しで受け取る際に支払う事を約束すると言っていたのに、落札商品を受け取る事が出来なかったのである。

その落札した商品とは、いったい???

それは・・・2歳を過ぎたラブラドール・レトリーバーのオスだった。

本来そんな生体を扱うオークションは、私の個人的主観では好みでは無かった為、かつて閲覧する事も無かったのだが、イヌの事を色々と調べ検索している時に見つけてしまったページであった。ほとんどは仔犬の生体販売が行われている中、数は少ないが中には里親を募集する趣旨・目的のオークションも見受けられた。しかしその里親募集に関するジャンルでは無く、通常の販売目的のジャンルに飼い主自身の手によって、そのラブのオスは出品されていたのである。

商品説明の文章はあまりにも言葉が少なく、不明な点が多い。私自身も質問をし、他の方の質問と出品者である飼い主の回答を参考にした上で、ほとんど飼い主の「ホンネ」が見えた上で入札をしたのだった。運良く落札し、落札者となったので安堵して連絡を取ろうとしたのだが、出品者である飼い主は入札を入れた後に連絡先を掲載し、それによって連絡の来た『業者』にさっさと売り渡してしまったのであった。

『業者』に売り渡すという最悪の事態を避けたくて、私は入札し落札したはずだった。それが落札した時は既に売り渡され、郵送されてしまった後だったのである。

飼い主が飼い主自身の手によって、何らかの『業者』に売り飛ばしてしまったラブラドール・レトリーバーの男の子。電話でその出品者である飼い主と話しをしその旨をはっきりと聞き、電話を切った後、悔しさと虚しさとそのラブの子の辛さと思いが私の身体中を電撃の様に駆け巡る。

涙が止まらない。泣いても泣いても、いくら泣いても涙が止まらない。アンブロシアが心配し、アルキメデスが心配をし、私の涙を止めようと涙を舐めてくれるのだが、なかなかこの厄介な涙は止まらなかった。彼らを抱きしめ、しばらく後にようやく涙を止める事が出来たが、心の中の口惜しさだけは拭いきれなかった。

自分の飼い犬を出品し売り飛ばした飼い主から直接聞き出した話は以下の様な内容である。

「ラブは警察犬とか盲導犬をやっているのに、こんなイヌだとは思わなかった。散歩も引きずられて大変(商品説明には散歩は大丈夫だとウソを記載していた)。やんちゃで手に負えない・・・・などなど」

私の想像していた通りである。商品説明には「カワイイんです」等と取って付けた様に記述していたが、やはりそれは真意では無かったのだ。2歳以上もの期間に渡って飼育してきたのにも係らず、ラブラドールという犬種をハナから誤解した上で飼育し、自らの扱い方を改める事に努力もしないまま、出品上では転勤するなどとウソを記述して(自営業なので転勤は虚偽だと電話で認めた)、お金を出して買ったからには少しでも高く売り飛ばしたかったという私の想像は、完璧かと言える程に的中していた。

盲導犬は盲導犬として完全なシステムの元で100頭育てた中で、やっと盲導犬としてのデビューを果たせるイヌは数頭だと聞いている。ラブラドールは頭が良いイヌであり、かつ盲導犬や介助犬としての資質は十分に持っている犬種ではあるが、それでも得手不得手があったり、どうしても克服できないものがあれば、盲導犬としてのデビューは果たせないのである。100パーセントの合格をしなくてはデビューは出来ないのだ。人命を預かるという仕事を請け負う役柄だからこそである。

そんな資質のラブラドールでも、若い年頃ではヤンチャなのだ。そのヤンチャさを飼い主が上手に発散させ、上手くコミュニケーションを取る様に努力し、歳を重ねる事によって、ラブラドール・レトリーバーは落ち着いたイヌになって行くのである。メスでもおおよそ2~3歳頃まではヤンチャである。オスであれば5~6歳までヤンチャだったりする。その間に手を焼き、困惑する飼い主は多々居る。良く聞く話である。その犬種であるからこそ、当たり前であるというそれらを知っていれば、その期間をいかにして過ごすか?と個々の飼い主が工夫するべきものなのである。生まれてから大した事も教えられないまま自分で盲導犬になれるイヌなんぞ、居るハズが無い。ペットショップで購入したラブラドールが自分で勝手に盲導犬や介助犬に成長するハズなぞ在り得ない!存続して正しく接し、正しく育てるからこそそこまでの使役犬になれるのである。

オークションを自宅で行える環境にあって、そういった事柄を調べる事もなくただうちのイヌは手に負えないと思い込んでしまったその飼い主。何を目的としている業者かも知らないままに、お金に変えたくて売り渡してしまった飼い主。まるで悪い子に対するお仕置きかの様に、飼い犬を売り飛ばしてしまったのだ。

腹立たしい飼い主ではあるがそちらに立腹している以上に、私はそのラブラドールの事を思うとやるせない気持ちで一杯になる。その子に罪は何も無いのだ。イヌに罪は無いのだ。どうして欲しいのかを教えなかった飼い主が全て悪いのだから。

アンブロシアさんと同じ毛色のラブラドール・レトリーバーのその男の子。今はただその子の無事を祈るばかりである。

|
|

« 怯えきっているエンデュミオン | トップページ | 黒ラブ君・参上♪ »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/99407/4172349

この記事へのトラックバック一覧です: 生体オークション。。。:

« 怯えきっているエンデュミオン | トップページ | 黒ラブ君・参上♪ »