ミニ・シュナ+シェルティー=計5頭のレスキュー
今回のこの『廃業』について、インターネット上では様々な怪情報、信憑性に欠ける情報が流れ、多くのヒトが混乱した事と思う。
既に後日付けの記事で先にUPしている事ではあるが、私は自身で得た情報を元に、この5頭の受け入れの為に茨城県の受け渡し場所まで駆けつけた。間違い無くレスキューが必要である、と確信を持ったからだ。
実際にこの5頭を現地で目の当たりにした時、過去の保護経験からも、5頭が劣悪な繁殖場に居た事は、一目瞭然であり、何の迷いも疑いをも持つ事は無かった。私の数少ない保護活動経験の中にも、劣悪な繁殖場に居たイヌは数頭存在するが、彼ららの保護時のデータと比べても、この5頭の状態は悪い状態の前例に相当するもの。
例えば、受け渡しに介入した人々が、付け焼刃の如く、たった数日でイヌの皮膚の状態をここまで悪くする事は不可能であり、被毛をアンモニア焼けさせる裏技などは何処にも存在しない・・・という事だ。
糞尿にまみれ、与えっぱなしで、過度の食事量の生活をしてきた事は、イヌを見れば明らかである。
そして、酷く怯え、首輪やリード(引き綱)に驚き、たったの1歩も散歩をする事が出来ない状態の成犬。
決められたスペースで、首輪やリードとは無縁で何年も暮らしていたからこその、反応である。
視界に車の往来を目にし、排気音を耳にし、驚き、身動き出来なくなる子。
ヒトが自分に注目し、顔を覗き込む事に怯える子。
目線が合わない様に、必死に顔を背ける子。
私有地の駐車場内で、なんとか隅っこ、角っこに逃げ込もうとする子。
ヒトと係る事、それは常に何時も楽しいものでは無かったという事。
『愛情』とは無縁の生活の中で生き延びてきたという事。
イヌとしての尊厳を保つ事は困難な状況下であったという事。
排泄はしっ放しで、排泄物の中で寝起きしていたという事。
全てイヌを見れば明らかな事だった。
「レスキューが必要である」事は、私の目には明らかだった。ブリーダーが廃業する後始末を助けるつもりは、さらさら無い。だが不要になったと言われる「命」は助けたい。
ペットショップで店頭販売されるイヌを、売れ残っていてカワイソウだから・・・とか、このままではカワイソウだから・・・と、購入するつもりはさらさら無い。何故ならこの「命」は繁殖犬よりも若く、まだ希望が残されているからだ。だから私はそこにある「命」を、金銭の発生する形で助けるつもりは全く無い。何故なら、その金銭でまたそのペットショップは存続するからである。
ニワトリが先か?タマゴが先か??
ソコがポイントだ。
ブリーダーがあるから、ペットショップで店頭販売があるのか?いや、違うはずだ。ペットショップで幼い生体が「売れる」から、この様なブリーダーが存在するのだ。
ならばやはりペットショップでの生体販売が必要無いという事である。
ペットショップのスタッフは「イヌやネコのプロだ!」と思い込んでいるヒトがちらほら存在する。ペット・ブームである昨今のペットショップのスタッフが本当にイヌやネコのプロなのだろうか?冷静に、冷静に考えてみて頂きたい。
そして、自身の頭で、・・・必ずしもそうでは無い・・・という事に気付いて頂きたい。
特定の種類・種別のイヌやネコに対して、最もプロであるヒト・・・それは、良識的にブリーディングをしているブリーダーなのではないだろうか?
そういうヒトの方が、より精通しているもの。それは私の面識及び経験上でも言える事だ。
この事については、保護イヌNO,14=ミニチュア・シュナウザー♂プルシャ君の保護当日の記事でもご拝読頂ければ幸いです。
さてそんなこんなの引き取り保護を済ませ、ドッグ・ホームに到着後、1頭ずつゆっくり観察を開始する。
☆保護イヌNo,18=ミニチュア・シュナウザー♂マルクス君☆
☆保護イヌNo,19=ミニチュア・シュナウザー♂ユリウス君☆
☆保護イヌNo,20=シェットランド・シープドッグ♀ジョイちゃん☆
☆里親募集中=シェットランド・シープドッグ♀チェルシーちゃん
(各々の画像ページにリンクしています)
先ず、チェルシーちゃんは目の光も残っており、気丈な面も見られる為、当初の予定を変更してボランティアさん宅にてリハビリを始めて頂く事にする。
ジョイちゃんの方は、ドッグ・ホームの大して広くもない敷地内を移動する事も拒み、一歩も自力で歩こうとはしない。また産後でもあり、移動でチアノーゼを起していた事もあり、精神的に落ち着きくまでのしばらくの間、バリケンネルで安静にさせる事にする。
ミニ・シュナのカント君は、3匹のミニ・シュナの中で最年長でもあり、かつ何かを察しているかの如く、私やボランティアさんに何か嬉しそうで陽気な態度を見せる。かつ元気。そして反応が良い方だった為、移動の疲労が取れた頃合からグルーミングを開始した。その時の様子は、上記のカント君の画像ページリンク先でご覧頂きたい。
結局、ミニ・シュナ3匹とも、暖房の効いた室内で体が温まるにつれ、体中から染み付いた糞尿の異臭を放ち、酷い歯石の付着などによる腐臭の口臭を放っていたのである。
彼らイヌよりも嗅覚の発達していない人間が傍に居て、吐き気がするのだから、彼らイヌ達自身は、もっともっと「臭い!!!気持ち悪い!!!」と感じていた事だろう。
だが清潔さとは無縁の環境であった為、彼らは嗅覚を意図的に麻痺させ、耐え続けてきたのだ。
それらが入り混じった異臭は、本当に吐き気をもよおすモノであり、彼らの皮膚の状態も良くない為、全員が薬用シャンプーと、薬浴となった。しかも今夜だけやれば済む・・・という状態では無い。薬用のシャンプーと薬浴は当座の間続ける必要がある事は間違い無かった。
そして3匹のミニ・シュナに共通して言える事、それは年に1~2度程度はバリカンを入れてもらっていたという事。だがしかし、シュナウザーの外観特有である、眉とヒゲをも、ものの見事にバリカンを入れられ、全て均一の長さで、いわゆる「坊主刈り」にされていた・・・という事だった。
口元、マズルにバリカンを近づけると、慣れないイヌは嫌がるものだが、彼ら3匹は嫌そうな態度を取りつつも、明らかにバリカンを入れられ慣れている・・・という態度だった。
シェルティー、ミニ・シュナの5匹全員、耳は外耳炎である。耳の中の毛が密集し、長く伸びている被毛であるミニ・シュナ3頭については、より酷い外耳炎。中の毛の処理は済ませたが、当座の間は5頭ともに耳洗浄を毎日行う必要性大である。
被毛が長いシェルティー達は、幸いミニ・シュナ達ほどに皮膚がただれ、荒れては居なかったが、ブラック・トライのジョイちゃんは、産後という理由だけでなく、チェルシーちゃんに比べて遥かに状態は良くなかった。
だが放心状態から再起しないジョイちゃん。入浴させるにも、立っていられない為、身体を抱かかえる様に洗い、浴槽での薬浴も、全て介助したまま行った程であった。
夕刻より始めたグルーミングは、結局日付が変わっても続き、昼前頃まで不眠不休のまま4頭をなんとか清潔な身体にする事となった。
先ずは静養、そして元気を取り戻し始めてきたら、少しずつ、躾け治しを兼ねたリハビリ・・・という予定。3歳の若いイヌは、幸い環境の変化への対応も早そうだが、6年以上もこうした「生かされただけの生活」を続けたイヌ達には、少し長めのスタンスでこちらも付き合って行く事となる。
きっと大丈夫。
何故なら、このドッグ・ホームには、そうしたケースの前例があるから。
そうしたケースの子達は、昔をすっかり忘れる程に『普通のワンコ』に変身して見せたから。
きっと大丈夫。
何故なら、キッカケさえ掴めれば、きっとどんなワンコだって変わる事が可能だから。
偉そうなニンゲンだって、キッカケが見つからないと変わる事がなかなか出来ない生き物だから。
だから、きっと大丈夫!!!
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