2006年2月17日 (金)

☆保護イヌNo,16=アメリカン・コッカー・スパニエル♪男の子 の入園♪

Img_7697 2005年12月29日、午前10時頃、神奈川県小田原市板橋付近にて、保護される。

取得者によると、その場所は湯元へと通じる農道(?)の様な所であるらしい。

拾得者が二度目に通り掛った際にも、同じ場所にこのイヌは留まっていたとの事だった。二度目に会ったその時、「カワイソウに・・・。」と保護を試みたとの事。

しかし、このイヌは男性用の箱に入ったままのブーツ等が放置されるその場に留まろうとし、呼びかけに対して唸り、吠え、なかなかそのブーツ等のある場所から離れようとはしなかったらしい。まるでその靴を守るかの様に・・・。

保護主いわく呼び寄せるまでに「1時間もの時間を掛けた。」との事だが、このイヌを呼び寄せようとしていた最中に、軽トラックに乗った若い男性が通り掛り、その人もこのイヌを先ほど見かけ、もう一度通ってまだ居たら保護をしようと戻ってきた・・・との事だが、この方には「飼主が居なければ自分が飼うから・・・。」と、お引取り願ったとの事だった。

その若い男性を帰した後、保護主自身がなんとかこのイヌを自力で捕獲したとの事。ご自身宅にも、アメリカン・コッカー・スパニエルが居るので、「飼主が現れなければ自分で飼いたい」という心情のまま自宅に連れ帰ったらしい。

だが、自宅に連れ帰り、実際にご自分のイヌと対面させようとしたら、ご自分のイヌが吠えて泣き止まなかったらしい。そして、自宅にこのイヌを入れる事も出来ないまま、なんとか知り合いの知り合いで、預かって貰える家を見つけ、その家にこのイヌの身柄を託したのだった。

そしてそんな保護の翌日、2005年12月30日夜、保護主はアンブロシア・ドッグ・ホームに初めて電話をしてきた。

要領を得ないその一方的な話に私はピンと来る。

「ああ、また、保護したけどイヌを引き取って下さい・・・っていう電話か。」と。

保護主は、その結論を口にする事のないままおよそ30分ほど掛けて、アメリカン・コッカー・スパニエルを保護した武勇伝(?)を続ける。その会話の途中で何度も、

「だから、結論を先に述べよ!」

と、思わず声を荒げてしまいそうなのんびりした話しが受話器から流れる。私はお会いした事の無いヒトと電話で話をする時、ほぼ相手の人物像が視えてくる。だから口を挟まず、ただ相手に話をさせ、じっと聴く事に徹する。簡単に表現するなら、江原さんモードに近い所といった具合か(笑)。

およそ大体の事はお聞かせ頂いた辺りで、ようやく口を挟んだ。

「誠に申し訳ないのですが、保護をしたヒトが居る保護イヌについては、こちらでは原則としてお引き受けしない事にしています。そのケースは先ず、処理しきれない程実際に数多くあるケースだからです。そして、アナタという保護をしたヒトが、歴然と存在するからです。保護をした者に責任がある事を自覚して下さい。

また、そのイヌを預ってくれるなら、掛かる経費を全て払うとか、そのイヌの世話を手伝うという事を事前におっしゃっていても、実際にはこちらで引き取った後ほぼ全く何もしなかった・・・という前例(←リマ君のケース)がありますので、そのたった一つの前例だけで皆さんを同様に判断するのは誠に失礼かと存じますが、そのイヌに掛かる経費を必ずご負担頂ける事がお約束できる場合以外は、お引取りはお断りさせて頂いております。また、そのイヌに関してのみで結構ですから里親探しを手伝って頂きます。

実際に、アンブロシア・ドッグ・ホームには本日付で一時的にお預かりの2頭を含め、イヌ・ネコ総勢16頭居ます(←2005年12月30日当日)。ボランティアさんがお手伝いに来て下さっていても、実質的に大半の事は私独りで行っていますので、経費だけでも限界を超える状態ですが、日常の世話だけでも保護したばかりのイヌが半数を占め落ち着かない現状では世話の手だけでも限界を越えていますので、無理です。

アンブロシア・ドッグ・ホームでは、現状私自身が自腹を切って経費を捻出しています。寄付金を集め始めたのは、ごく最近です。何処の保護団体でも同様ですが、寄付金だけで全ての経費を賄える所はありません。物資の寄付のお願いを始めたのは同じく最近の事です。

またボランティアさん達も、身体を休めるはずの休日を使って、そして交通費も自腹でこちらまでお手伝いに来て精一杯やって下さいます。そんなボランティアさん達が現状を見て、現場で不足している物資を調達してきて下さいます。

そうした善意の気持ちで頂く寄付金や、善意で休日を返上して下さるボランティアさん達を、そうした事の為にまで私は無理をさせたくありません(筋が通らないから)。ですからこちらに預ける場合にはそのイヌの分だけで結構ですから、「カワイソウ」だと思って保護をしたのであれば費用を融通して下さい。また申し訳ありませんが、先にも申し上げた通り、実質的に私独りですので、イヌ達を放って半日以上も家を空け、お引取りにそちらまで伺う事は困難ですから、こちらまでお連れ願います。

こちらに身柄を預けず、ご自身でやってみるという事でしたら、無償でご相談には乗らせて頂きます。

・・・ですが、今、何よりも第一にアナタご自身がすべき事は、警察署で拾得物の届出を出す事が先決です。保護をして(拾って)から警察や保健所に問い合わせをしただけでは、もしも飼主が問い合わせをしてきても情報のニアミスが起こります。警察署は書類の記載内容で判断をしますから、とにかくすぐに届出を出して下さい。

今後どうするかは、ご自身でお決め下さい。私は強制も強要も致しません。ご自身でご判断下さい。拾得物の届出だけは必須です。」

という様な内容でお話をした。どうやら先に他の保護団体などにも電話をしてみたそうなのだが、師走も師走で明日は大晦日だというこんな日に、どんな保護団体でも電話に早々出ては来ないだろう。2件目だか3件目に電話を掛けた先の私が、たまたま電話に応対してしまった様子である。

またこの方はアンブロシア・ドッグ・ホームに「訓練士さんがイヌを預けた事があると聞いた。」という。それは何処の誰からの情報だとおっしゃっていたか私ははっきり記憶をしていないのだが、真っ赤なウソだ。その方にも否定しておいたが、そんな事実は存在しない。訓練士ではなく、「トレーナー」さんのイヌを「ホテル」的な意味合いで一時的に預かりはしたが、その情報を私自身も事前に公に情報公開した覚えは無いし、そのトレーナーさんご自身にも確認をしたが同様だという。

会った事も無く、知人・友人でも無いのだから、費用を負担してイヌを預ける事を躊躇する事は、そう提案している私自身にも理解できる。そもそも私自身であればどんな状況であっても、自分で責任の持てない事に手を出す事はしないだろうが、他人に何かを頼むならそれなりの礼儀がある事くらいは承知の上で自分の出来る範囲で何かをしようとするだろう。もしくは、自分でした事の責任は、最後まで自分で何とかするだろう。

自分で「カワイソウ」だと思って拾ったイヌをその本人が、飼主が居ない場合に生涯飼育するでもなく、飼えない事情や環境であるが故に里親を探そうとする『最後まで責任を持つ』事が出来ないならば、イヌを拾ったり保護したりすべきでは無いと私は、リマ君の一件以来、強く思う様になった。

保護主自らが、一つの『運命』と『命』を左右している行為を行っている・・・という事実への自覚の無さと、無責任さを、しかと恥じて頂きたい。

保護活動は、結果論である。そう、結果が「オーライ」でなくては『保護をした』などとは言えないという事。そこの所を思い違いしている方が意外と多い様である。

だが、『命』の数をいかに多く助ける事ばかりに注目をしても十分ではない。処理数という結果を追求するその影には、「たらい回し」になったイヌが数多く存在している。「たらい回し」の末に心神喪失が一層酷くなるイヌは多い。ドッグ・ホームでは、某NPO団体が保護をし、扱った経歴のある、ファン君(ゴールデン・レトリーバー♂)がそれらを証明している。

では何が結果オーライであるのか?簡単な事である。そのイヌが笑い、笑顔を見せ、ヒトを信頼できるまでに至り、かつその笑顔と信頼を、そのイヌの生涯存続できる状況を与えられる事である。それが、保護活動での結果オーライだ。私はそう思っている。

リマ君をこのドッグ・ホームで迎え入れた事は、そういう意味で良い勉強になったと私は思っている。そう、イヌを拾っただけで『保護をした』などとは言えないという事。最後まで責任を持てないのなら、なまじ手を出す事の方が無責任だという事だ。

リマ君はあの日、あの場で保護をされなければ、自宅に自力で戻っていた可能性がとても高いイヌである。なまじ手を出し、ご自身達の住む場所はペット不可の住居だからと動物病院に身柄を預け、「カワイソウ」だと言っていた怪我の治療をするでもなく、その後何故だか実家に二泊三日でリマを連れて行き、家族や友人に『保護したイヌ』を見せ、記念写真を一緒に撮影し、その後に、最後にはこのドッグ・ホームに身柄を預けた。それは結果オーライではないという事だ。

全て半端な手出しである。ドッグ・ホームにリマを預けた後も元の家を探すポスターを作製し、貼った作業を行っただけで、既に保護から半年を経過したにも関わらず、未だにそれらを撤去・回収する作業を申し出るでもない。昨年7月10日にリマとドッグ・フード一袋を持参した時以降、現在までに彼らがドッグ・ホームを訪れたのはたった1度である。それも「遊びに行っていいですか?」という一言目に、思わず説教をした。そう、費用の負担はいいから世話を手伝ってくれる事が預かる条件だったからだ。

説教の末、当人達が詫びた為、『散歩』という名目で手伝いに来てもらう事にする。その際に他にも何かを手伝うと申し出るので、その方の少し得意な分野とも思われた印刷物の価格を調べてもらう事にした。

印刷物、それはドッグ・ホームの資金を作る為のオリジナル・グッズの制作と販売のを目的としてである。その趣旨を伝えた上で、費用的にリーズナブルな域で品質も納得の行くものが作れそうな所を厳選してきて欲しいと頼んだはずだった。

ところが実際に持参したリストは、ウエブ上で見つけたサイトをそのままプリント・アウトしたもので何の役にも立たなかった。だが、ヒトにボランティアでものを頼むのだから、それでも仕方ないと私は自分を言い聞かせた。まぁ、仕方が無いと。そうは思えない程説明をしたと思うのだが、それでも自分の説明が足りなかったのか?と。

結局、最初の7月10日のドッグ・フード一袋、そして11月13日にたった1回だけの『散歩』の際に頼んで買ってきて貰った、リマ用の口輪3点。これ以上を期待してはいけない・・・という事なのか?と。

しかし年末に向けて急に、保護依頼の予定が重なって入った。スケジュールは何とかやりくり出来ても、問題が一つ残った。それは、保護する予定のイヌ達の身体の大きさと年齢、そして性別が似ているという事だった。大型犬、そしてオス犬、おまけに5~6歳位。最悪の状況である。

私は何か嫌な予感がした。保護してくるイヌは大抵が未去勢・未避妊だ。リマの性格からすると、大喧嘩になる可能性は大である。何も起きない訳はない。そこでリマ君の身柄を一時的にでもドッグ・ホームから動かそうと考えた。里親が見つかるならそれに越した事は無いが、一時的でにも隔離する形でなんとか事件が起こる前に回避をしておきたい。

そこであちこちに一時預かりを探して欲しいと連絡を回す。そんな中で思い出したのは、リマの保護主である。今、最悪の状況を目前としているからには、彼らにも何とか手伝って貰いたかったのだ。他のイヌの事では無い、彼ら自身が「カワイソウ」だと言って保護をしたリマだからである。

この時本当にドッグ・ホームは危機を目前にカウントダウンに入っていた。そこでボランティアさん達の手を借りる事の出来る週末になら私自身がリマを連れて行けるから、里親を探すなり、一時預かりを探すなり、実家で預かってくれと連絡を入れたのだった。そして住所を知らせてくれ・・・と。そう、彼らはドッグ・ホームの住所を知っているが、私は彼らの住所は教えられていなかったのである。だがしかし夜遅くにこんな電話が掛かって来た。

「住所を教えろって、どういう事ですかっ!!!!!」と。

しょっぱなから既に怒鳴り声である。ここでようやく私は目が覚める。残念だが、言動が伴っていない彼らの行動を、それでも信じようと思っていたのだが、やはり彼らは無責任だったのだ、と。

おまけに、そう思いたくは無いが、お酒を召し上がっている風の口調でもあった。

様々な言い逃れ、言い訳をするが、既に全てにおいて誠意は見られない。自分(達)本位の言い訳だけである。結局は、リマ自身の事など、どうでも良かった・・・という事か。

そして後日、懸念していた事態が発生。

ラブラドール・レトリーバーの6歳位のオス犬を引き取りした翌日からである。12月13日、飼育放棄により自宅まで引き取りをし、その足でそのイヌの去勢手術を受けさせた。夜、ドッグ・ホームに連れ帰り、安静にさせる。2日目には気力と体力を通常通りに取り戻したラブのオス。

それをリマは見逃さなかったのである。ボランティアさんの居る前で、リマはラブのオスの急所に飛びかかり、そしてけして放さなかった。社会性の身に付いていない一人っ子育ちのラブは、降参の仕方を心得て居ない。だが、それだけが問題では無かった。

リマの保護以降、オス犬の保護はピレニーズのグレン君だけだった。グレン君はリマとの関係を既にはっきりさせた為、リマにとってはドッグ・ホームでの自分の位置関係を新参者の前ではっきりさせたかったハズである。

リマが攻撃性を現した事により、情緒の安定していない他の保護イヌ達にまでそれが伝染する。それまでラブのオスを前にして普通にしていたイヌ達が、リマが攻撃をしかけた事をキッカケに、一気に全員でラブに飛び付き、噛み付いた。

ボランティアさんと唖然としつつも、二人で即座にその中に割って入り、大型犬のオス数頭が噛み付き合いの争いをするのを身体で止める。

全員に噛みつかれ、悲痛と混乱でパニックになっているラブに、私は右手の甲をザックリと噛まれるが、自らの手から鮮血が飛び散るよりも何よりもリマを停める事に必死だった。

リマはラブの首(後頭部)にガップリと食らい付いて、なかなか外せない。周囲で「攻撃」が伝染し、行為に至っているイヌ達を引き離し、リードに係留し、最後にまだ1頭でラブに食らい付いているリマを二人ががりでどうにか引き離した。

この時から、リマは完全にワイヤーのリードで係留である。もうリードを外す事は出来なかった。だが、リマは首輪抜けも得意で、リードを外す事も得意である。そして何が何でもラブを目掛けて何時でも攻撃を仕掛けようとして、全く目が離せない状態となった。

12月13日に引き取り保護をしたラブは、その時だけでなく、どうにかリードを逃れ攻撃に熱中してしまったリマに再度襲われ、緊急入院の末、処置も虚しく、12月18日午後、保護日数たった5日でこの世を去る事となってしまった。

私はこの事態を予測していた。『感』である。保護主にリマの一時預かりを訴えただけではない。周囲にも一時預かりなり何なりを頼み込み、この事態を避けようと必死に働きかけていた。だが虚しい結末だった。

このドッグ・ホームでイヌ同士を完全に隔離する事は困難である。ましてやリマ君は、柵を壊してでも脱走する癖があり、そうして何度にも渡って壊されたバック・ヤードに通算、数十万円もの費用を掛け修復を繰り返した。リマに壊された家財も多々あった。その中でどうしても掃除機だけは買わざるを得なかった。保護主にそういった費用すら、請求しなかった。

理想では頑丈で屋根もある犬舎をリマに与える事である。だか、以上の様な想定外の修復費用が掛かった上に、通常のイヌ達の経費を捻出する事は既に困難であった。

リマ専用のそんな頑丈な犬舎を買えない為、ボランティアさんは知人を頼って無償で譲って貰える犬舎を探す事に奔走してくれた。

群れを好まない。一匹狼で居たい、放蕩息子で居たいリマ。彼はノラ犬だった訳では無い。だがヒトに「飼われる」事は好んでいない。ましてや多頭飼育なぞ範疇外という事。リマはラブの命を奪う攻撃をした事に対して何とも思っていない。リマにとっては今までの自分の生きてきた経験上、特別な事では無く、当たり前の事だったからである。そう、悪気は全く無いという事だ。

その事件以降、リマはドッグ・ホームの群れから外す措置を取った。年明けにも保護の予定が入っているからである。また群れを好まないリマにとって最適な形を取る為でもあった。

だがリマは、それでも不服だった。勝手な散歩に行けないからである。日に2回の食事を与えていても、グルメ巡りに出掛けたいのだ。その結果、リマは正月明け早々に、またも自らリードを逃れ、収容所の捕獲担当の車の前に躍り出た。

向かいの空き地に物凄い勢いで、変わった形の車両が急停車する音が聞こえたので、リビングからその様子を伺うと、捕獲の際に使用するあのワイヤーの付いた棒(←呼名は知らない)を持った二人の男性が何かを走って追う姿が見える。

「あの棒は、イヌを捕獲するアレだっ!」と気付き、そして「まさかまたうちの前にイヌを捨てられたのか?」と思い、窓を開けた。

すると男性二人は、ドッグ・ホームの敷地に入ってきたのである。

「あのイヌは御宅のイヌですかっ!!!」と。

何を言っているのか最初、飲み込めなかった。リマを見ると、リマはリードで係留してある位置に居る。だが、彼らはリマを指差している。

「きちんと繋いで飼って下さいっ!!!」

と怒鳴られてようやく事の事態を飲み込んだ。そう、リマはまたしても身体に巻きつけてあるリードを、どうにか外して家出をしていたのだ。そして偶然通り合わせた彼らに追われて自ら慌てて戻ってきたのだ。

収容所の職員が捕獲作業で巡回をしている際に、その車両の前に自ら躍り出る・・・・・。イヌにとっては自殺行為以外の何者でもない。事情を説明し、お詫びを伝えて彼らにはお引取り頂いた。それを始終目の当たりにしていたボランティアさんは、リマのリードをより抜け難く身体に巻きつけたのは言うまでも無い。

リマ君のブログ記事を見れば一目瞭然だが、リマ君の記事はとても少ない。それはこれまでの間ずっと、保護主を否定しない様に配慮した記事を連ねたが為に、徐々に無理が生じ、記事が続かなくなってしまったからだった。しかし、このコッカー君の件から、私は全てを黙っている事は出来ない状況が発生したのだとようやく悟った。そして、今、ここで率直に語る事を決意したのである。

「忙しいんです。」「具合が悪いんです。」「入院していたんです。」

ヒトには誰しも事情があるのは判る。だが、リマ君を預ける相談をしていた当初、こちらから要求をしなくても、自ら経費を全て負担し、世話を手伝うとまで申し出てきた保護主。おまけにご当人は覚えていないのかもしれないが、こちらが頼んでも居ないのに、ドッグ・ホームに泊り込みで来て手伝えるとも言っていたのである。

それが、ドッグ・ホームの危機(ラブ君の件)を予測し、一時預かりでも何でも良いから預かってくれという状況に瀕していたリマの件に対し、対処を手伝うでも無く、何の協力をするでもなく、ただ、

口論の際に「ボランティアっていうのは、そういうのが好きでやってるんでしょ?」と、平然と他人に押し付けるリマの保護主。これは己の立場を全くもって理解していない・・・という事だ。後にも、先にも、私は彼らに金銭の要求をしていない。ただ、身柄を預かってくれと言っただけである。

何はともあれ、ドッグ・ホームにはドッグ・ホームのやり方がある。保護をしたイヌにどこまでの経費を掛けるのか?は、保護団体や保護をしたヒトの主義や主観で内容は大きく異なるのが実態。

そんな中で、アンブロシア・ドッグ・ホームでは心身ともに痛んでいる彼らにホリスティック・ケアーの一貫として、ソリッド・ゴールドのフードとサプルメントを与える事を徹底してきた。

そして疾病に関しても、元々自分の飼っていたイヌ達と同様に扱おうと決めていたのである。この子は純血種だから、とかミックスだからとか、保護イヌだから・・・という一線を置いた基準は作っていない。

すると必然と、いずれの費用もタダでさえ各々結構な額であるという事だ。大型犬1頭につき、毎月本当に少なくても2~3万円の経費は必要であるという事。これに去勢手術や避妊手術、他に疾病や怪我で手術が必要ともなるとその月はそのイヌだけで10万円がアッサリ飛ぶという事である。

リマ君は保護当初から右の前後脚共に怪我を負っていた。保護主はそれを見て「カワイソウ」だと言っていた。

しかしそんな怪我であっても、何であっても、先に述べた様な費用の掛け方を、多くのヒトから賛同して貰うのは難しいとリマ君の受け入れ時に私は考えた。度々手伝いに来る、泊り込みで手伝える、留守番もします・・・というその言葉を信じ、受け入れの事前に私はこう答えたのだった。

「世話の手伝いの方が実際に何よりも助かります。費用面は考え方の相違もあるでしょうからご負担頂くのは気が引けますので、お手伝いをして下さるとのお申し出ですから、世話をお手伝い頂くだけで結構です。もう一つ、必ずお手伝いをして頂きたい事は、先ず元の飼い主を探す為の手伝いと、次に里親を探す事の手伝いをして下さい。これらはとても重要な事ですから、必ずお願いします。」

こうした条件で、警察署への届出上、歴然と保護主の存在するイヌの身柄を引き受けたのであった。これが2005年7月10日にドッグ・ホームに入園したリマ君である。

この半年もの間、私はこの一件をずっと腹に溜め込んでいた。だがやはり事実は伝えようと思ったのである。何故なら、リマの件以来、全て同様の保護以来は断っているからである。

無責任な保護主とのやり取りは、それだけで時間の無駄であり、彼らの無責任さを「無責任な行為である」と教える事もないまま、ただ擁護してしまうからである。そんな事に時間と労力、そしてお金を費やしているよりも、しなくてはならない活動は幾らでもある。手が出し切れない程に、やり足りない程に、まだしなくてはならない事が沢山あるからだ。

その為、リマの件以降、保護主の存在する保護(引き取り)依頼のお話は、相談には無償で応じるという条件でなるべく自力保護の形をお願いしている。それでもどうしてもという場合は、費用を負担する事を約束した上での引き取り依頼という形をお願いしていたのだった。

そうした保護依頼の相談の中で、実際に保護したご自身で生涯飼育をする事は叶わなくても、きちんと里親を見つけ、実際にイヌを引き渡すまでの間、全て頑張って自力で解決した方もおられる。だからこそ、私はリマの件、そして今回のコッカー君の件で事実をこうして伝えようと思った。

2月3日午後、小田原市で保護されたアメリカン・コッカー・スパニエルの男の子がボランティアさんに連れられてアンブロシア・ドッグ・ホームにやってきた。昨年12月29日、保護主に保護をされ、翌日30日の夜にドッグ・ホームに保護依頼の連絡が入っていた子である。その後のやり取りで、保護主にはコッカー君を引き取る際には、去勢費用としての1万円を頂きたいとも告げておいた。その為、コッカー君と1万円を受け取った時、即座に「確かにコッカー1頭と、去勢費用としての1万円を受け取りました。」とファックスを保護主宅に送付した。

私は先に述べた通り、他の相談の件と同様、自力解決又は費用の全面負担という形での引き取り保護をお話ししていた。だが、コッカーの保護主は、費用の全面負担よりも自力解決を決めた様子で、その翌日31日には警察署に記録されている通り、拾得物の届出をご自身で出している。

そして2月3日までのおよそ1ヶ月間もの間、このコッカー君は数奇な運命を辿る事になった。

保護主は警察署で31日に、「飼主が現れなければ自分が飼います。」と申し出たので、『請書(うけしょ)』というもう1枚の書類にも署名捺印をしていた(警察署談)。

『請書』とは、「請ける・書」と書くが、実質的には『契約書』と同様の意味を持つ。小田原警察署でのその『請書』とは以下の内容の書類の事だ。以下は参考までに無記名・未使用の書類を、小田原警察署の会計課の方にお送り頂いたものを記している。

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* 逸走の家畜を飼育したい旨申し出た場合に徴する請書

        請      書

私は、善良な動物愛護者として、貴署から譲り受けた家畜の飼育に関し、次のことを厳守する事を確約して、お請けいたします。

*  家畜名                                               .  

                    記           

1  譲り受けた後、飼育中に正規の飼い主が判明したときは、相互で話し合いのうえ解決いたします。

   なお、飼育料については、請求する場合もあります。

2  飼育の期間中に、家畜が死亡したり、逃亡した場合については責任を負えないことを了承していた

   くことで飼育いたします。

3  飼育に関しては、善良な動物愛護者として飼育いたします。

    平成      年      月      日

小田原警察署長  殿

                     (住所)                                      . 

                     (氏名) .                                   ㊞.    

                                

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上の内容の書類である。保護主は、コッカーを引き渡すまでの間、そういった書類、この書類に署名捺印をした覚えが無いと言っていたが、警察署に残された記録上では、間違いなくしたはずである事を後日追求すると、保健所に連れて行かれると「カワイソウ」だからサインしたと言う。だが、色々な事を理由に様々な言い訳を言っておられたが、この保護主の家で、保護をした肝心のコッカー君は、保護当日から今日までの間、1泊もしていないのである。 

知り合いの家など数件に、代わる代わる預け、吠えて困るからと言われ、動物病院のホテルに泊め、写メールで里親を探し、見当違いだと会わせたその場で断られ、他の里親希望者の家2件も宿泊させたが結局断られ・・と、その間ご自身の家には1泊もさせていないこの1ヶ月。

そんな1ヶ月間の様子を知り、私はコッカーのレスキューを決断したのである。

12月30日に、最初に電話を貰った時点で、正直に、

「お金なんて本当はどうでもいいですから、貴方とは以後関わるつもりはありませんけど、イヌは保護します。」

と、あの時言っておけば良かった・・・と、コッカー君に対して申し訳無いと思ったのである。ドッグ・ホームに辿り着くまでの1ヶ月の間のたらい回しにより、すっかり人間不信に陥り、完全に心神喪失となり、そして私に何度も何度も噛み付いた、アメリカン・コッカー・スパニエルの男の子。まるで「お前もボクを粗末に扱うのかっ!」と言っているかの様に。そして「どうしてもっと早くしてくれなかったのかっ!」と言わんばかりに。まるで何かを知っていたかの様に・・・。

リマ君の保護主さん、コッカー君の保護主さん、

この公の場で私からはっきりとお伝えしたいメッセージがあります。

あなた方の保護したイヌの費用は、特別出して頂いてもおりませんが、以後、一切負担をして頂くつもりはございません。

あなた方が保護をしたイヌと、今後一切、会わせるつもりはございません。ドッグ・ホームにお越し頂く事は、一切、お断り致します。

あなた方の行った行為は、『保護』とはいいません。

今回の件を『無責任』であったと自覚して下さい。

一時の感情で保護をしても、結果的に最後まで責任が取れないという事は、飼って(買って)みたけれど思っていたのと違うからと、イヌを捨てるヒトと何ら変わりが無いという事を自覚して下さい。

以後はむやみにイヌを拾得しないで下さい。

彼らイヌ達に対して、「保護してやった」という気持ちではなく、侘びる気持ちを持って下さい。

あなた方から特別にして頂いた事は何も無いに等しいと判断しておりますので、こちらにもこれ以上の義務は何も無いという結論を出させて頂きます。

以降、こちらから連絡をする事は一切ございません。

以降、ドッグ・ホームへの連絡は一切お断り致します。

私は、貴方方を助けたつもりは一切ありません。

私は、イヌを助ける気持ちは十分に持っています。

ですから以後、彼らの事は忘れて下さい。

以上です。けしてあなた方の生涯を全面的に否定している訳ではありません。各々の行った今回の『保護』という行為に関してのみ、上記の様に述べさせて頂きました。

読んでいる無関係の方々で、気分を悪くされた方には深くお詫び申し上げます。しかし、たまたま見かけたイヌやネコを保護するという行為は、こうして自力解決のできないケースがあるという事を知って頂きたくて、こうして記させて頂きました趣旨をご理解頂ければ幸いです。

実際に捨てられたイヌは、元の飼い主にそもそも愛情をしっかり貰っていなかったり、躾をしっかりしていないイヌ達ばかりです。ですから、保護をしてからの躾け治しや、世話は、思っているよりも容易では無いという事なのです。実際に、ドッグ・ホームでのこのブログを読んでこられた皆様は、私自身が四苦八苦している事をご存知のはず。

そんな荒れ荒んだイヌ達と付き合うには、リスクが必ずあるという事です。

リマ君の様に想定外の出費のかさむイヌも居るでしょう。見た目よりも、実は沢山の疾病を抱えているプルシャ君(ミニチュア・シュナウザー♂)の様なイヌも居るでしょう。捨てられているイヌは、必ず保護したものが問題と立ち向かい、対処していかなくてはならないものを必ず何かしら持っています。

そんな予測不能なリスクと何があっても立ち向かえないなら、最初から手を出さない事です。自分で責任が取れないのであれば、手を出す前=保護する前に、保護団体などに相談をする事です。そうすれば、その保護団体が自ら現場で捕獲&保護を試みようと検討して下さるでしょうし、保護した後も経験と実績を元に対処してくれる事でしょう。

野良猫にただ「カワイソウ」だからと、エサだけを与えている事と同じです。連れ帰り飼育するでも無く、不妊手術を行うでもないままに、エサだけを与える行為とそれらは同様だからです。野良猫を地域ネコとして捉え、自分ひとりでは対処が困難だからと、保護団体に相談し、地域ネコを餌付けし、地道に1頭1頭の不妊手術を行ったり、貰い手を捜す行為は尊敬に値しますが、生かすだけのエサやりは、無責任であるという事なのです。

そう、イヌやネコを保護するならば、どんな事態が発生してもそれでも自分が責任を持つ・・・そう決断し、実行できない以外は、出来るヒトに最初から任せれば良いという事です。

ヒトは誰しも、得手不得手があるものです。イヌが好きだから、イヌに関する事全てが出来る・・・なんて事は無いはずです。「好き」な気持ちだけでは、継続出来ないという事は沢山あるはずです。ヒトは十人十色なのですから。イヌ達だって十犬十色です。

そんな「十色」で、種別の異なる生き物が混在しているのが、この地球です。ヒトとイヌとネコだけではありません。数え切れない程のものが混在しています。だから、皆、同じでなくても良いのです。そして、それぞれに、それぞれのパートがあるという事。

適材適所という言葉を思い出して下さい。あなたにとって適材適所ではあっても、私には適材適所ではないという事。そういう事です。だから、皆、違っていて当然なのです。

違っていて、当たり前なのですから。

リズちゃん、そしてラブの男の子の火葬でお世話になった、上総動物霊園さんからの大量の物資の寄付を頂いた今日、ようやく私は喉に支えていた言葉を記事に連ねる事ができました。

ラブ君を失った時、リマ君に対して正直腹立たしい気持ちが込み上げました。でも、私はリマを恨む事は出来ませんでした。彼のそうした行為は、私達ヒトによる、計画的ではないけれど、人為的な行為の結果だからです。リマを恨むのは、筋違いだからです。恨むなら、リマがそうなる様な扱いをしていた人間の方だからです。

しかし私は、恨むという行為が生産的であるとは考えません。恨む行為は、非生産的な行為であり、その行為によって生じる弊害は大きいからでもあります。

仏教用語に『精進する』という言葉があります。私は、自らが精進する事を選びます。そして『徳を積む』事を選びます。私自身の生涯で、できる限りの魂の成長を望むからです。そしてその行為を生産的だと考えるからです。

私からのお願いです。

皆さんも、ご自身の得意な分野で『徳を積んで』下さい。

貴方でしか出来ない事がきっとあるはずですから。。。

                               

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2005年11月23日 (水)

リマ君とオリエンテーリング!?

午後からリマ君を連れて、袖ヶ浦市の地理に詳しいボランティアさんと、リマ君の「元の家」を探す為に、袖ヶ浦市に向った。

長浦郵便局前で保護されたリマ君を、現地に連れて行き、その場所からなるべく自由に、行きたい方向に向けて歩かせつつ、私はその様子を背後から追う形で、リマ君の挙動を観察しつつ追跡した。

リマ君が古い住宅街の中でも、特定の家に関心を持って見せ、その庭を勝手知ったる場所の様な顔をして入り込もうとするのだが、そういう家は残念ながら1件に限らず、広範囲に数件ある事が判った。

関心が特に強い家の呼び鈴をいちいち鳴らし、家人にリマ君を見て頂き、「この近くで保護されたのですが、このイヌをご存知ありませんか?」と、確認をとる。まるで聞き込み捜査だった。

幸いにも、不躾にも赤の他人にイヌの事でいちいち呼び出された各々の家人達は、親切&丁寧に応対をして下さったのだが、結果は全員が「知らない」という返答である(苦笑)。

配達をしていそうな個人商店や、イヌを飼っている家、祭日なので庭先でくつろいでいるヒト、イヌを連れて散歩をしているヒトなど、手当たり次第に聞いて周るが、誰もリマ君を知らない。

既に何時間も歩き回っていたが、郵便局のある場所を挟んだ反対側にも足を運ぶ。

結局、「元の家」らしき所は見つからなかったのだが、今日のこのオリエンテーリングで判明した事は沢山あったのだった。

  • リマ君は、保護された場所周辺の地理を知っているという事。
  • その周辺で、飼い犬の残飯や、ネコのエサを盗み食いできる家と、そのエサの置き場所を把握しているという事(実際に平然とその家の飼い犬の目の前でエサを盗み食いしてしまった・・・・・・・滝汗)。
  • やはりフレキシブルなリードで、自分の行きたい方へ好き勝手に歩く散歩は大好きであるという事。
  • 道無き道も、気にせず闊歩するという事。
  • ウルサイ事を言うヤツだけど、私の存在を気にして歩くという事。
  • 私の姿が見えないと探すという事。

そう、リマ君と私の関係は最悪なほどに険悪という事でもなく、リマ君はリマ君なりに私を「目の上のタンコブだけど、従わないとオッカナイ奴」だという把握は、いつのまにか把握していた・・・・という事が最大の発見だったこのオリエンテーリング。元の家が見つかったなら、オリエンテーリングではないけれど、そうではなかったので、結果的にリマ君が独自のスタンプポイントでマーキングをし、それに従って歩いただけ・・・という、オリエンテーリングで終わったという事か(爆)。

それにしても、キミの長年の半ノラ犬生活ぶりが、今日で良~~~~~く判った一日だったよ。ああやって、平然とよその家で、飼い犬達のゴハンを盗み食いしていたのだな、キミは。なるほどね。

でもねキミは今、ソリッド・ゴールドの高価なゴハンを貰っていて、残飯より良い物を食べて何ヶ月にもなるのだから、目の前で残飯の盗み食い姿を目の当たりにした私としては、「何の為に健康に気を使っていると思ってるんだよ・・・・」と、立ち上がる気力も失うほどにガッカリしたんですけれど・・・・・・・・・・・・・(涙)。

頼むから、これからはよそのワンコのゴハンを盗み食いするとかって行為は、改めてちょうだい!私からの切なる願いだからねっ!!!

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2005年11月15日 (火)

トラック野郎 VS ハード・ゲイ・・・Part,2 (汗)!?

この所勃発していた、アンブロシア・ドッグ・ホームのハード・ゲイ世界に終幕の気配が見られるようになってきた。

『トラック野朗』のリマ君(ホワイト・ミックス♂推定年齢8歳位) VS 『ハード・ゲイ』のグレン君(グレート・ピレニーズ♂9歳)の、去勢済みのイヌと未去勢のイヌの互いに意味の異なるマウントの闘い(?)の事である。

むろんどちらも本当にハード・ゲイという意味ではなく、どちらも至ってノーマルな感性のワンコであるが、先のPart,1の記事で述べた通り、未去勢と去勢という身体的な相違から、グレン君が誤解をした結果始まった事である。再度述べるが、間違っても本当にグレン君がマジで同性愛者であるという事ではない。

さて、本日のドッグ・ホームの庭はでは、相変わらず彼らのそんなハード・ゲイごっこが繰り広げられていたが、事が始まった当初と比べ、かなり落ち着いた行動に変化している事が明らかに見て取れた。

グレン君の方は、相手がオス犬であるらしい・・・という事を薄々と把握してきている様子。その為、マウントをしていても多少困惑した表情を浮かべる様になってきた。そして、マウント行為自体も減り、冷静さを取り戻しつつあるのである。

リマ君の方は、相手が当初は自分をメスだと勘違いしていたらしいが、今となっては、自分よりも年上でかつ、身体も大きな相手である為、どんなに抵抗をしても、逆らっても仕方が無いという気配が見え始めたのである。むろん、自由奔放な『トラック野朗』のリマ君だから、これで完全にイヌ社会を学んだ・・・という事ではけしてない。

だが、今までなら他のイヌと少し間隔が開いていても、間違っても同じポーズをしたりなど、けして無かったリマ君が、今日の日中の日向ぼっこで、グレン君と並行し、同じ方向に頭を向け、フセて寝ていたのである。むろん二頭の間に間隔は開いており、けして身体をくっ付けたりはしていないが、今までのリマ君であれば、グレン君がフセて寝ていたならば、自分は何が何でも、意地でも、暑くても、寒くても、絶対にそっぽを向いて、目一杯離れて、別行動を取るんだ!という潔癖とまで表現できる程に、「オレは他のヤツらと合い通じるつもりは無い!」という意思が露だったハズ。

そんなリマ君が、そんなグレン君と似たような格好で、似たようなポーズで昼寝をしていたのである!!!

やはりこの作戦は効を奏したという事か。。。

ならば、やはりこのハード・ゲイ作戦(?)は、今しばらく続けてみよう。・・・・・もちろんグレン君のマウント行為は満足と納得できたお陰か?幸いににも収まりつつあるので、今後は『共存』を学ぶという方向に趣旨変えして・・・という意味での事だ。

グレン君には仲間が出来て嬉しいという気持ち。そして、年功序列で自分はここでは2番目の先輩に当たるという自覚に目覚めてもらえれば、生きる意欲も湧くかもしれない。いわゆる、生き甲斐が見つけれられるかもしれないという事である。

そしてリマ君には、イヌ同士の関係を食わず嫌いしていた傾向が強かった気持ちを少し見直してもらい、自分よりも目上のものが居る、こういうのも悪くは無いものだ・・・という意識に向って進展をみせるキッカケにして貰いたい。イヌ同士でベタベタの仲良しになる必要は必ずしも無いが、存在を否定せず、他のイヌの存在を許容できる気持ちが芽生えてくれるかもしれない・・・という事だ。

さぁ、これからどんな風に変化がおきるかな~~~~~~~~~???

がんばれ!グレン君!!!沢山のヒトが応援してくれているんだよ!

がんばれ!リマ君!!!みんなが心配しているんだぞ!

ペピイ

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2005年11月13日 (日)

リマ君の散歩と笑顔

今日はリマ君(ホワイト・ミックス♂推定年齢8歳位)がボランティアさんとお散歩に出た。

元々、首輪を自ら引っこ抜く事が得意で、元々、自分本位の野良犬の様な散歩が好みだったリマ君なので、ボランティアさんとの散歩でイイ子に歩けるかを、実は物凄く懸念していた・・・。

むろん、首輪を引っこ抜くリマ君だから、ホームでは首輪&皮製の胴輪を使用し、急に引っ張った際には渾身の力で吊るし上げる形で動きを阻止していたのだが、ボランティアさんにそれをお願いするのは少々酷なので、いつもの散歩とは異なり、首輪や胴輪では無く、コーティングされたワイヤーで首と胸部を止め、引っ張れば苦しいという方法に換えてみる。これなら万が一、突然に引っ張られても軽く阻止できるからだ。

イヌ達専用の囲まれたバック・ヤードからも、柵を飛び越え、まるでアジリティー競技の如く、脱走経験のあるリマ君は、庭の中に出る際にもリードを装着する事が当たり前になっている。しかし、流石は『海千山千』のリマ君だ。まだ保護から3ヶ月が過ぎた程度である為、「普通のワンコ」としての暮らし方を覚えてもらうには、まだまだ、まだまだ、まだまだ・・・・・・時間が必要なのである。

係留されたリードを噛み切るのは朝めし前であり、首輪を引っこ抜くのもお手の物・・・・・。

例え自らの体を傷付けても、血が流れていても、全く気にせず、とにかく何よりも『自由』になる事を強く望んでいるのが明らかである。

そんなリマ君だが、私と一対一で散歩に出る事は嬉しい事の一つ。

た~だ~し、私が「マテ」とか、「止まれ」とか、いちいちヤカマシイ事を言わなければ・・・「嬉しい」という意味だ。ヤカマシイ事を言われると、「ナンだよっ!!!」と、途端に不機嫌な表情になるリマ君。他の子達の散歩に何度も出ている私としては、疲労で苛立つ気分が隠せなくなって行く。

そして、互いに険悪なムードになりつつ、楽しかったハズの散歩が、リマ君も私もイライラしてばかりの散歩となってしまう傾向にあるのだ。

リマ君は長年、自由気ままに暮らしてきたワンコである。ドッグ・ホームに入園したその日から、いきなり全寮制の寄宿舎にでも入れられちゃった気分であり、そもそもココでの暮らし自体が、彼にとってもイライラの募るもの。

そんな日々の様々な事柄の度に、ホーム内に居ても、リマ君と私は互いに「テメェ~!何時になったら判るんだよっ!!!」という気分が続いてしまうのだ。

とても悪循環である。。。

そんな悪循環を脱する事、リマ君に少しでも新たな楽しさを教える事は日々怠ってはならないのだが、毎朝、そう心に決めて対面しても、即座にその想いを崩される出来事が起こる日々・・・。

リマ君は、「野良犬」というよりも、まるで「野生馬」であるという事だ。

知能レベルはかなり高い。しかし、頑固。

その為、なかなか進展が無いのである。今までの犬生の中で、もう少しヒトと心の交流を取れる関係が築かれていれば、これ程互いに四苦八苦する事は無い。彼が今までの犬生と経験で自ら得た、ヒトに対する認識と結論は、「ヒトはオレ=自分の都合でメシをくれる相手」という事だという事実・・・。

だから、オレが要求してもいないのに、ブラッシングだとかをされるのは迷惑千万なのである(苦笑)。

オレがよこせ!って言ってから出て来るんだから、メシの前に「オアズケ」だとかってワケのワカんない事をさせんじゃね~よ!という事だ。

そんな訳だから、リマ君はまだまだヒトを乗せる気など持ち合わせていない『野生馬』気分であり、多少はドッグ・ホームに居慣れたからこそ、私に逆らってみせるのである。

この堂々巡りに陥りつつある関係に、何か新たな事を取り入れ、リフレッシュを計りたいと思っていた為、ボランティアさんとの散歩に行かせる事も良いチャンスかもしれないと思っていたのだ。

しかし私だけでなく、他のヒトとも『散歩』が無事に行われなくては、元も子もない。散歩中に脱走をされたら、やはりまたヒトを舐めてかかる事を辞めないであろうから、絶対に脱走をさせる訳には行かないのだ。失敗は許されない。

そんな理由から、リマ君はコーティングされたワイヤーでグルグル巻きにされた姿で散歩に出たのである(苦笑)。むろん、ボランティアさんと散歩に行く前に、私と家の前をその状態で歩き、「暴れてもコレは抜けない=逃げられない」という事を把握させてからだ。

そんな風にあれこれ心配していたのだが、ボランティアさんとのんびりの散歩から帰宅したリマ君は、リフレッシュした笑顔で帰宅。

ボランティアさんに様子を伺うと、「ずっと左横に付いて、顔を見ながら、気にしながら歩いてくれました。」と、拍子抜けする程、上出来なお散歩をして来たのだそうである。

毎日顔を付き合わせていたから、そんなワンコに成長していただなんて、気付きもしなかった私・・・(汗)。

リマ君、随分と成長していたんだね~~~!もっと楽しい事がこれからもまだあるんだから、少しずつでいいから、ゆっくりでいいから、頑張って行こうね!

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2005年11月11日 (金)

トラック野郎 VS ハード・ゲイ・・・Part,1 (汗)!?

『トラック野郎』・・・皆さんご存知の邦画である。あの俳優:菅原文太さん主演の映画だ。私自身、実は観た事は無いと思う、多分。しかし、漠然としたイメージとして、なんとな~くではあるが「日本男児っぽさ」を感じるキャラクターというイメージを持っているのだが、もしかしたら実際には異なるかもしれない。

まぁ、ちょっと笑える所も持ち合わせている日本男児をイメージして頂ければそれで良いのだが、そのキャラクターのイメージを、私はリマ君に感じるのである。そう、リマ君は『トラック野郎』。

では、いったい誰が『ハード・ゲイ』なのかって???

それは、グレン君の事である・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(滝汗)。

思い切りプライベートな話題であり、かつ本来はこういうコメントはすべきでは無い事も十分に承知の上であり、かつ男性方には大変申し訳無いと思うのだが・・・・・・、私はストレートにモノを言うヤツである。どうかお許し頂きたい。

そう、現在、私に月経シーズンが到来している為、それを察したグレン君が、超大喜びをし、食器を持って行った私の足に絡み付いて来たのが数日前の出来事だった。

幼いお嬢さんの居るお父さん方、もしもお嬢さんが初潮を迎えたら、そしてもしもチェリー・ボーイのワンコが貴方の家に居たら、もしかしたらこういう事態は免れられないと覚えておいて頂きたい・・・(笑)。

今回、まだ入園したばかりであったグレン君にとっては、ドッグ・ホームでサクラちゃん(黒柴ミックス♀生後半年)の初潮には無反応だったのだが、何故か私の月経で物凄く興奮を覚え、反応を示してしまったのだ。

むろんそれを判っていた私は、グレン君が私の足に絡み付いてきた途端、胸元を押し返して「ガウゥッ!!!」と不機嫌そうに唸って見せる私。

それにより、今まで少なからずとも殴られたり蹴られていたと思われるグレン君は、頭を避ける様に横に振り、少し後方に飛びずさって逃げ、かわし、哀しそうな表情で私を見つめる。

・・・・・・・・気持ちは判る(・・・・いや、女の私には男の生理は、実際には正確に理解できないが・・・爆)。

しかし、それを許す訳にもいかないのだよ、グレン君。。。

グレン君は性的な興奮を覚えたせいで、食欲を失い、入園以来初めてゴハンを丸ごと残す。

私への求愛が成功せず、フラレた事を理解をしたグレン君は、必然と他の対象へと目を向けた。

その相手は、ドッグ・ホームで最も『モテモテ』の園長アンブロシアさん(ラブラドール・レトリーバー♀10歳)である。しかし、相手はツワモノ。哀れグレン君は、数回の求愛チャレンジの末、ことごとくアンブロシアさんに嫌われ、「アタシの相手じゃあないわよ!」とあっさりと三行半(みくだりはん)をつき付けられたのだった。

そして、その悶々とした気持ちを誰に向けたか???

・・・・・・・・・・・・リマ君(ホワイト・ミックス♂推定年齢8歳位)だったのである。

リマ君は保護以来、去勢手術を施した為、当人にそういう自覚はあまり無いが、未去勢で経験の浅いオス犬から見れば、『メス犬同様のオカマ犬』に当たる。グレン君は、正に、未去勢で、こういう経験の浅いオス犬であった様子。

私にフラれ、アンブロシアさんにフラれ、次に気持ちが収まらないないまま、グレン君が自ら最適な相手だとみなし、求愛をした相手は、リマ君だったという事。

その途端、ドッグ・ホームの庭では大騒ぎが勃発してしまったのだった。

リマ君は、バリバリの日本男児気質。威勢の良い、トラック野郎なワンコである。その相手にマウントをして、騒ぎが起こらない訳が無い・・・。

「ウゥゥゥゥゥゥゥゥ~~~~~~~。」

「ガウゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!」

マウントをしようとグレン君が自分の体に前肢を乗せる度、リマ君は威嚇をする。

しかし、グレン君は威嚇をされても、性的な興奮は全く収まらず、理性をすっかり失っており、おまけに力もあるのだから、リマ君が唸ろうが吠えようが、一向にお構いなしにマウントを試みる。

そう、リマ君は庭に係留されている。だから逃げる事も出来ないのだ。おまけに清掃の為に互いの近くに係留をしてしまったものだから、どうにもならない状況であるという事・・・。早々に掃除と消毒を終わらせていつもの定位置に係留し直さないと・・・。そう思い、そんな彼らを横目に作業を私は続ける。

清掃を終わらせ、定位置にリマ君を係留し直したら、今度はグレン君は吠えっ放しになってしまった。その吠え声、切ない求愛の吠え声である。「こっちへ来てくれ!」「そっちに行きたい!」「愛してるよぉ~~~~!」・・・・・・・そんな思いの鳴き声である(苦笑)。

しばし放置し、無視してみたが、大きな吠え声は全く収まる気配が無い。これでは一晩中でもやりかねない。そして、考えた。

リマ君は『イヌの群れ』や『イヌの集団行動』といった事には無関心のワンコであり、『トラック野郎』気質で、頑固さを頑なに維持している。ある意味で、それらは彼の個性であり、良いところでもあるが、ヒトと共存するという事を前提にした場合には、必ずしも全面的に褒められるモノでも無い。ならば、何らかそういった部分を打破する機会があれば・・・とは、常日頃から考えていた事である。

むしろグレン君のマウント行為は、リマ君にとってもある意味チャンスなのかもしれない。リマ君にとっては、今まで自分よりもツワモノがこの世に居るだなんて、考えた事も無かったハズである。グレン君が年上であり、イヌ社会で言えば年功序列の先輩であり、かつそれらを含め問答無用で体も大きいという事。

年功序列や上下関係、力関係を明確にする為に、イヌ達は性別を問わず、性的興奮を問わずにマウント行為を行う場合がある。今回、グレン君は性的に興奮をしたのがキッカケではあったが、グレン君がリマ君に対してマウントをする事は、イヌ社会のそうした構造上、あながち間違った行動であるとは思えない。

ならば、吉と出るか凶と出るかはともかくとして、少なくとも対象と行為自体は間違ってはいないのだから、いっそやらせてみるか!

その方がグレン君にも、今までに無い、イヌらしい体験をさせる事にもなり、最初の性的興奮はともかく、マウントを続ける事によって、学ぶ事も多いであろう。また、ドッグ・ホームでの彼の存在位置もはっきりさせる事が出来て、彼自身の為にもなる可能性の方が大きいのである。

そして哀れ、リマ君は、現在は勘違いしまくりのグレン君の傍へと再び係留される事となる。

二頭にした後、遠巻きに様子を観察する。彼らの行動に関与は一切せず、彼ら自身が学ぶ事を待ち続ける体制だ。

案の定、「オレは男だ!テメェ~、何勘違いしてやがるっ!!!」と、リマ君は意気揚々に好戦的な気持ちを露にし、唸り、吠える。しかし対するグレン君はそんなリマ君の反応になどお構い無しにマウントを度々繰り返す。食事も拒否し、マウントしっ放しという状況だ。

観察の結果、グレン君はやはり『童貞=チェリー・ボーイ』である。行動や、細かな反応を観察していると、交尾経験のあるイヌと、そうでないイヌの違いは明らかに判るものだ。

チェリー・ボーイのグレン君は、狂喜乱舞の状態で興奮したままマウントを辞めない。慣れない行動をしている為、疲れる度にリマ君の横に降り立って度々休憩をする。そして、呼吸を整えては、またマウントを再開。

プライドと理性を粉々に打ち砕かれ、恨みつらみ&混沌とした表情で私を見つめるリマ君。グレン君に私がマウントを強制している訳ではない。私がキミを押さえ込んでいる訳では無いのだからね。それは、互いに自己責任であるのだよ。私は知らん!自分で誤った理性と、プライドを持ってしまった君の今生での試練なのだよ、リマ君。私にも今生の試練がある様にね。イヌとイヌの関係とは、そういうものを指すのさ。私にもどうしようもない自然の摂理があるんだよ。

まあキミの今までのプライドや理性も、キミを放任主義で飼育していた飼い主の押し付けであり責任転嫁でもある。君自身に本来責任は無いんだけどね。でも、これからもヒトが中心になってしまったこの世の中で生きていくには、キミも学ばなくてはならない事があるんだよ。それには、今まで自分の身を守ってきたそのプライドと、理性を、少しずつ更新する必要もあるって事さ・・・・・・・・・。

ジャックも入園当初はワカランチンだったから、アンブロシア姐さんにさんざんマウントをされて、教育的指導を受けていたんだよ。今でも時々、ちょっと逸脱した行動を取る度に、アンブロシア姐さんがマウントをして指導をしてるでしょう?キミは、アンブロシア姐さんがマウントをしようとしたら逆毛を立てて逆らったけれど、本当はあの時それを素直に受け入れる聞く耳を持っていれば、グレン君とこういう機会を設けなくても済んだかもしれないけど。でも、まぁ、ある意味キミにも変われるチャンスが到来したと思って、グレン君に感謝しなさい・・・。

そんな事を想いつつ、彼らの行動を横目で観察続ける。

徐々にマウントに慣れてきたグレン君は、マウントする時間が伸びてきている。そして、リマ君の横に降り立つ度に、「フォ~~~~~~~~~~!!!」っといった具合の表情をしてみせる。。。

嗚呼・・・・、ドッグ・ホームがまさか、ハード・ゲイの世界になる事があるだなんて、予測をしていなかったよ、私は。。。

何時になったらグレン君が納得をし、リマ君が新しい自分を発見する事になるのかな???

いや、間違ってもワンコ達は、ハード・ゲイの境地を発見はしないだろうが、なるべく早々に決着が付く事を祈ろう。。。(汗)

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2005年10月25日 (火)

保護活動そして、リマ君(悩)・・・。

保護活動がどういうものなのか???
どこを探しても、これに明快な答えはありません。様々な保護団体が日本にもありますが、各々、やり方が異なり、千差万別です。
その中で、私には私の考え方や、やり方、方針があります。いつも紆余曲折しつつ、自問自答の繰り返しです。それは何故か?
それは、保護するイヌも千差万別だから・・・。
今までの生活状況、飼育されてきた内容、そして、そのイヌ自身の性格・・・。これらの詳細が全て全員異なるのですから、一つのマニュアルで事が済む訳がありません。
リマ君の場合、このドッグ・ホームでお預かりした以上、アンブロシア・ドッグ・ホームとしてのやり方、いわゆる私自身のやり方で固体に合わせた躾け直しを行っている日々。
目標は、最低限のレベルでも良いから、ヒトが中心の世の中で共存する事が可能になれる事。それはどのイヌにも共通する目標です。更にレベルUPが出来る状態に成長し、意欲が湧き始めた子には、更なるトレーニングもしています。
ところが、単純に考えて頂ければ判る事ですが、先ほどまで普通に、家庭犬として飼育されてきたイヌに、今までOKだった事を、今日からはNOなのだと教えた場合素直にいう事を聞くと思いますか?
もしも甘えん坊で、単純に表現するならば(適語ではありませんが・・・)自立心の無い、ヒトを完全に頼って生きているワンコであれば、数日中には新しいルールを飲み込む事ができるでしょう。もし新しいルールを覚えるのにそれ以上長引くのであれば、それは飼い主の教え方(導き方)が誤っているという事。
では同じ事を、頑固な性質で自立心旺盛なワンコにやってみたら???
そして、更に、高齢の域に入る年齢のワンコにやってみたら???
どうなると思われますか?
高齢のイヌであった場合、人間に置き換えても同じですが、これからは余生をのんびり過ごしたい・・・と思うのが心情ですよね?おまけに頑固な性質であったら、そのイヌ、又は老人はどういう反応を示しますか?
そして自立心旺盛な相手だった場合は、「オレを放っておけっ!今までだってオレは何時もマイ・ウエイで、自由で、それでやってこれたんだ!!!」と、激怒しますよね?
普通はヒステリーを起すはずです。もしくは、多大なストレスを感じるはずです。・・・・・現在のリマ君はこの状態に近いのである。
彼の好きにしていたい気持ちはなるべく尊重してあげたいのだが、勝手な散歩(野放し散歩希望)とか、それをして貰えないなら、勝手に家出をして、腹が減ったから帰宅し、「帰ってやったぞ!メシをよこせ!」と、時間を問わず庭先で吠えまくる生活をリマ君に、それをどんなに望まれても、現在の法律でも、自治体のルールを踏まえた上でも、世間ではまかり通りませんから、彼がどんなに要求をしても許す訳には行かないという事は、誰にでも容易に理解できますよね?
リマ君は、シェパードの様な一本気の頑固くん。おまけに、老齢。リマ君は、若作りに見えますが、およそ8歳前後の年齢です。大型犬の8歳といえば、もう余生をのんびり過ごす時期でもあります。
ですから、保護されるまでの間は、自分の好きに生きてきた=半ノラ犬の生活をしてきたにも関わらず、ここで自分にとっては意味不明な事を提示されるのですから、彼はストレスが多大にかかってしまう毎日を送る事になるのである。
ちなみに、私自身は、リマくんの「元の家」、「帰る家」がもう無いのであると明確になっているのであれば、徹底して彼の躾け治しを試みるつもりである。ところが、現状は、リマ君は「預かり物」なのである。それは、警察署に届け出てある書類の上で。
リマ君と数ヶ月間接して来て、彼の元の家は間違っても「理想的なイヌの暮らし」を提供していたとは、思い難い事実と推測ができる。だが、そんな家だから帰したくない・・・という考えは、必ずしも正しいとは思えないこの頃である。それは、リマ君に躾けが入らないからでは無く、彼の年齢と、一本気で頑固な性質を考えた上での事である。元の家になど返すものか!という考えは、例え愛犬家であっても、改めなくてはならない認識なのではないのだろうかと思うこの頃である。何故なら、様々な事情や、理由を、彼はここで私に提示してきたからだ。
リマ君が当初負っていた怪我は、リマ君の行動、性格を考えたら、明らかに自分で負った傷である。ヒトに故意に付けられた傷ではない。断言できるのだ。何故なら、彼は、このドッグ・ホームの庭から勝手な散歩に行きたくて、柵を壊して家出を繰り返したのだが、その際に、自分が柵を壊す事によって傷を負う事になっても、家出をして勝手な散歩が出来るなら、そんな細かい事には動じておらず、全く躊躇していない様子が明らかだった事。
また家出の際の交通事故やトラブルを懸念し、リードは度々噛み切ってしまう為、コーティングされたワイヤーで庭に出る際には係留する様に変更したが、これはコレで、暴れ、体を傷付けてでも、首輪を引っこ抜くという技を慣れた行動でやって見せたのである。
そして次に、今度はどうやっても首輪が抜けない手法をこちらが試みた結果、未だかつて無い経験に戸惑い、暴れまくり、周囲の物に足を掛け、身体を補ていする道具にし、そしてなぎ倒し、身体をくねらせ、日々隙を見ては暴れていたのです。ある時は、彼自身がそれでも首を引っこ抜こうと、一気に渾身の力を込めて引っ張り、運悪く、首を吊った程の窒息の上、呼吸停止・・・・。グッタリとその場に倒れた事もある。幸い、私は必ず保護当初や、新たな事を試みる際には、必ずそのイヌの行動を影から観察しているので、即座に対応できたが、もしも見て居なかったら大変な事になっていたのである。
彼は、かなり利口なイヌだ。リードが気に入らないのは私にも判る。しかし、場所を問わずにノーリードで散歩をさせる事は世間的にも法律でも許されない事実。ましてや、自力で柵を怪我してよじ登ってでも勝手な散歩に出ようとする場合には、阻止するしかありません。
そして、これまた呆れた事に、ブラッシングをされた経験が無かった為、当初ブラッシングを念入りにしようとし、数分も我慢できなかったリマ君は、日頃のストレスも溜まっていた為、とうとう、ブラシを持つ私に牙をむき、威嚇し、噛み付いてきました。どんなイヌでも喜ぶ箇所ばかりを選んでブラッシングをしていたにも関わらず、彼は「オレにそれ以上、余計な事をするなっ!!!」という気持ちでしかなかった様子が露だったのである。
その時、むろん、極道なママに変身し、リマ君の攻撃を噛み付き、やり返しておいたのだが、その後も度々、私が自分に気に入らない事をしようとする度に唸って噛み付いて脅そうとしていた。ただし、最近ではほぼ上下関係を白黒付ける試みの過程は終了しています。
こんな状態の子がリマ君です。今でも気に入らない事があると、吠えたり鼻を鳴らして要求を通そうとしています。それは何故か?
彼は今まで、飼い主は居たけれど、ゴハンは一日に1度まとめて残飯を与え、首輪にクサリを付けてみたどころで、リマが勝手に脱走して散歩に行くから、半ば諦め、そういう「飼い方」を続けていたはずです。
またリマ君も心得たもので、「お手」を出すイコール、こいつらヒトはオレ様が手を出しただけで、「お利口~!」とか言っちゃって、腹が減ってるんだろう?って食い物をよこすんだよ。だから、オレが食いたい物を食ってるヤツの前に言って、モノ欲しそうな顔をして、こうやってお手してやりゃあ、イチコロだぜ・・・。
そう言ってもわかんないヤツには、一声でっかく吠えて見せれば、食べ物を放り投げて走って逃げていくからな。
・・・と、こんな感じがあからさまに出ています。これは私が何かを食べている時に、度々ありました。残念ながら、リマ君にとっては自分に立て付き、噛み付く、新しい人種の私ですから、最後まで食べ物をよこさないヤツなので、終いには、ひっぱたく程にお手を連発し、次は威嚇したり、唸って見せたり、それでも判らないないのか?とばかりに、最後は吠えまくってみせました。
里親を探す事。これも今後のリマ君にとっては大切な事だが、アンブロシア・ドッグ・ホームから里子に出すのであれば、今後は更に最低限のルールを教える為に、躾け直しを強化しなくては(以後はアメとムチを使い分けつつ、褒めて誘導する方法。通常の家庭犬である場合には、アメとムチは既に必要無い状態である為、褒めて誘導するだけで十分である。)、上記の現状のリマ君では、里子に出す事も困難という事になる。
もちろん、実際に里子に出す際には、私もそれは覚悟のつもりで躾けを徹底します。また、このドッグ・ホームに彼が居る限り、躾け直しを諦めるつもりも無い。
しかしここで冒頭を思い出して頂きたい。
リマ君は、一本気で頑固、自立心旺盛なワンコであるという事を。
その子にこれ以上のストレスという負荷を掛けながら躾け直しを続けても良いのだろうか?
それとも、一本気で高齢なだけに、元の家での生活習慣が身に染み付いているリマ君を、元の家に戻し、本来の飼い主に飼育指導をし、飼い主自身の責任と義務を教え、リマ君の生涯の世話をさせるか?
それとも、里子に出すけれど、結局は元の様ないい加減な飼育方法で、吠えても、脱走をしても気にしない様ないい加減な飼育方法をする里親を探すのか?
皆さんは、どの方法がリマ君自身にとって、最も最善な方法だと思いますか?愛犬家である貴方の感情も、私の感情も抜きにして、リマ君自身にとって、最善な方法はどれだと思いますか???高齢のリマ君にとって、理想的な今後の将来はどれでしょうか?
頑固で、一本気で、高齢のリマ君にとって、ドッグ・ホームで里親を求めて更なる躾け直しをされるリマ君が必ずしも幸せでしょうか?
捨てられた訳ではなく(彼は捨てイヌではありません)、自由気ままに生きてきた彼を?それが「オレの人生」だと信じて疑わない、今まで疑う事も無かった彼を?野良犬同然にヒトに飼われていた彼を?ヒトとの関係はその程度の事だと思っていた彼を?
彼にとっては、愛犬家の考える「普通のワンコの家庭犬の暮らし」は、未知の世界なのである。それを、過去は全て誤っていたのだと、頑固な子に一つ一つ教える度に、不服とストレスを感じ、ストレス性の脱毛になる彼に、
里親さんを求め、ここで勉強をする事の方が理想的なのでしょうか?
このドッグ・ホームには、リマ君よりも遥かに切実な状況で入園してくるイヌが沢山いる。現に、間もなく9歳を過ぎたグレート・ピレニーズが、2度目の飼い主に連れられて入園しにやって来る予定。
9歳まで飼っておきながら、この子の生涯に対して無責任でいい加減な気持ちしか無かった訳です。最初の飼い主ご自身が高齢である事、2度目の飼い主も、知り合いに押し付けられたけれど、大きすぎて手におえないから、保健所に連れて行こうかと悩んだ挙句、ドッグ・ホームなら後味も悪くないし、そんな無責任な二人が、無責任な行動を互いに取っておきながら、ドッグ・ホームにイヌを置き去り、後のことは他人である私に、無償で責任を押し付け、そして事実をすり替え、「イイコトをした」気分で、逃げるように去るのだ。
リマ君以外、ここに居る子は、飼い主が山などで遺棄したか、飼育放棄で人づてにここにやって来たイヌばかりである。保護する対象とは、本来、そういうイヌを指している。完全に飼い主が所有の権利を放棄しているという事が明らかな状態であるという事。
それら保護イヌというものと比較すると、リマ君は、そもそもどんな保護団体でも保護する対象では無いという事。
リマ君の保護・・・この場合、捕獲という表現になるが、首輪の付いたイヌを捕獲した事になあるので、千葉県でフラフラしているイヌを見かけた場合には、首輪が付いているか、純血種である場合には、「飼い主が居る」とみなした方が無難なのである。
東京や横浜であった場合には、確かにリマ君の状況も、「保護」という表現になります。それは、イヌなどに対する意識レベルが、悲しい事に、千葉県よりも平均的に上だからである。個人の愛犬家であっても、警察署であっても、対応は「所変われば、品変わる」という事である。
また東京や横浜であった場合、自らイヌを必死に探している飼い主も多く、早々に名乗りを上げてきます。千葉県ではイヌに対する意識レベルが警察でも、飼い主も平均値が低すぎる為、同じようには行かないのが現状である。
事実私が呆れる対応をされた警察署は、既に2箇所あった訳で、担当した署員によっては何もしてくれませんから、こちらが自らでポスターを作るなり、動物病院を訪ねるなどの事をし、飼い主を探すしかないという事だ。
こういう事実や、そうは言っても法的なものを踏まえると、現状はリマ君は、先ず、元の家を探す事が妥当なのである。
もし、元の家が明確になり、飼い主が完全に「何で連れて来たんだ!ウチではもういりません!」と、所有権をはっきりと放棄してくれるなら、私も、ドッグ・ホームとしてようやくそこから里親を真面目に本腰入れて探すという段階、それに合わせて躾け直しといった事へ踏み進めるのだ。
私には、リマ君が捨てられたイヌだとは思えないのである。良い方なのか悪い方なのかはともかくとして、必ず飼い主が居ると思うのだ。そして、居なくなったイヌを探すという行為をしないだけなのだと感じるのである。それは度々リマ君自身が家出を繰り返していた常習犯だった為、そのうち帰ってくるだろう・・・という考えである可能性が非常に高いのである。
そのイヌをドッグ・ホームから里子に出すのであれば、元の飼い主の了承を得た後、又は、元の家がはっきりした時点でしか、正直、私は対処しかねる問題である。
地方にイヌを捨てるという話を以前は良く耳にしたものだが、実際にはその行為を誰がその目で見たのであろうか?真実は私は異なるのではないのかと思うのである。バブルの時代、バブル崩壊の時節には、確かに別荘地やゴルフ場近辺で、他県から持ち込みイヌを遺棄するヒトは多かった様である。ところが、捨てる程不要なイヌに、そんな交通費を掛けてまで、遠方に出かけて行くヤツは、このご時世、居ないハズである。
また、私の経験上、野山に遺棄するヒトは、自宅もしくは、繁殖をしている場所から5km以上、10km程度の距離や範囲で遺棄しているケースが過去、多かったのである。それは多分、わざわざ要らないモノを捨てるのだから、自分の知っているエリアで、下調べも不要で、かつ交通量や交通状況なども把握している場所であった方が楽だからである。そして、流石にひと目を偲んで捨てに行く為、早朝や夜間の時間帯に捨てる事を試みるには、やはり、距離の近い場所の方が楽なのだ。
地方は、イヌを飼う事への意識レベルとモラルがまだまだ低い所が多い為、自宅で生まれたイヌやネコの子は、目も開かないうちに首を絞めて殺す。また、目が開いてしまった場合には、野山に平然と捨ててくる。最悪は川に投げ込むのだ。
これは地元で実際にそれらをやったヒトの話です。呆れることに複数の方から同意見だと聞かされました。また田舎の場合、繁殖家も多々居ます。彼ら繁殖家も、不要になったイヌを平然と野山に捨て去ります。近所のヒトがあのイヌはどうしたのか?と聞いても、居なくなったと答え、それでまかり通ってしまうのである。
そんな田舎で育てられたリマ君。私にあれほど反発しても、保護から4ヶ月にもなる現在では、多少はクセが残ったまま、少しだけ反攻しつつも、このドッグ・ホームのイヌのルールを覚えつつはある(笑)。そんなリマ君が、今後はどうして行くべきなのか???貴方はどう思われるだろうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

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2005年7月28日 (木)

リマ君の退院♪

午後にはリマ君の退院だ。今日の診察予定などや、質問事項をメモにまとめる。いつも動物病院を訪れる際には、小さな手帳と今までの血液検査結果などをファイリングしているものを持参する。状況に応じて、検討する際の参考にする為である。

今日の予定は・・・

  1. リマ君(ホワイトMIX♂推定5歳)の退院
  2. アンブロシアさん)ラブラドール・レトリーバー♀10歳) 混合ワクチン接種
  3. サクラちゃん(黒柴MIX♀生後4ヶ月位) 混合ワクチンの追加摂取
  4. 子ネコ達の虫下しを追加で投与するか否か?

以上である。子ネコ達は26日にリマ君が入院した際に、840円で頂いた虫下しを飲ませたのだが、それから今朝までずっと回虫が糞の中に出続けているのである。母体からそのまま貰ってきてしまったのか、室内飼育でいるこの家で、外へ出入りするイヌ達によって運び込まれてしまったのかは不明だが、回虫がまだ出てくる事を考えると追加で一週間後位に投与した方が良さそうに思えたのだった。

アンブロシアさんとサクラちゃんを連れて出発し、午後4時過ぎに動物病院に到着する。病院はとても混雑していたので、診察券を出してから近隣を散歩するが、サクラちゃんったらジタバタジタバタしていて、上手に歩けない(苦笑)。

生後4ヶ月でもあり、山に捨てられていたのでサクラちゃんは、保護以来ずっとお庭と室内での暮らしをさせていたのである。当初は落ち着きが無く、ずっと興奮し、目の焦点が合っていない様な子だったので、環境の変化に馴染ませる事と、冷静になるのを待つという段階を踏んでいる途中でもあった為、『散歩』らしい散歩は始めてに等しかったからだった。

今日は落ち着いているアンブロシアおばあちゃん(?)と一緒なので、はしゃぎながらも少しはいつもよりも大人しい方かもしれないが、時折草むらを見つけると、小さな身体を良い事に柵の下から潜り込み、人様の敷地の草むらを泳ぐ様に走ろうとする。・・・が、しかしリードにもまだあまり慣れていない為、そうして興奮しては突っ走る度に、首がグエッとなる事が今一つ理解できないまま、驚いては暴れるのだった(苦笑)。

そんな「箸が転がっても楽しい♪♪♪」なお年頃真っ盛りのサクラちゃんは、結局、散歩でトイレをするという目的が果たせないまま待合室に入る事になる。

先ほどよりはスペースが空いていたので、待合室の隅っこにアンブロシアさんの大きなお尻を寄せ、座らせる。サクラちゃんは『内弁慶』タイプらしく、言われなくてもアンブロシアさんの影に隠れる様にして身体を小さくして座っていた(笑)。

最近おうちでは、ジャック兄ちゃん(アメリカン・ピット・ブル・テリア♂2歳)を相手に、兄ちゃんのマズルやクチビルを平然とカミカミ・・・・カミカミ・・・・カプカプ・・・・・しているサクラちゃん。相手が闘犬種だなんて事は関係無いらしく、いっぱい遊んでくれる面倒見の良いお兄ちゃん&クチビルを引っ張ると良く伸びる&ちっとも怒らないオモシロイ兄ちゃん♪という認識しか無いらしく、キャハキャハ♪とはしゃぎながら、ジャックにじゃれて甘噛みするのがマイ・ブーム。その姿を見ていると、実に滑稽だ。サクラちゃんの方は「とにかく楽しちぃ~♪」なのだが、やられているジャックの方はただじっと、座禅でも組んでいるかの様にオスワリし、ただただサクラのしたい様に我慢強く黙ってやらせているのである。時折ジャックは私の顔を見る。アイコンタクトをしてくるのだが「エライぞ!」という気持ちを込めて頷いて見せると、嬉しそうに座禅を組み続ける(サクラにやられ放題のまま)。

そんなジャックとサクラの姿を、園長のアンブロシアさんはじっと見守っている。時折サクラの行動が行過ぎると「ガウゥ」っと一声一喝するのだが、相手はサクラちゃんである。「箸が転がっても楽しいお年頃♪」なのだから、叱られた動作を止めるのは、たったの一瞬(笑)。すぐにキャハキャハ♪しながら、ジャックのマズルにかぶり付くのだ。

そんな内弁慶のサクラちゃん。待合室に新たなワンコが入ってくる度に園長のアンブロシアさんの背後に隠れる。耳はピンと立ち、身体は全身硬直し、緊張が見て取れる程。サクラちゃんの性格的にも、まだまだ外界に興味を持つお年頃ではないんだもんね。これから徐々に、自ら進んで行きたがるだろうけれど、まだまだ保護者が居ないとコワイのだ。

診察室に呼ばれて入室し、先生が来るまでの間、AHTさん(動物看護士さん)と共にアンブロシアさんの体重を量る。30,50kg。前回6月30日には31,30kgだったので、先先ずといった所。今後の老後を踏まえ、この体重を維持したい所。体温は38,7度。

次にサクラちゃん。体重は5,85kg。7月19日には5,40kgだったが、ドライブ前の絶食等の影響だろうか、体重があまり増えていない。成長期なので今後も引き続き、子犬用のミルクを混ぜた高カロリーの食事で身体の基礎作りを行ってあげなくてはならないだろう。体温の方は、車酔い&待合室での興奮により、ちょっと高めの39,0度。特に問題は無いだろう。

嬉しい悲鳴を通り越し、たった一人で孤軍奮闘する先生がやってきた。あっ、むろんAHTさん&トリマーさん達4名もフル稼働中。何も出来ないけれど、お手伝いしましょうか?と思わず言いたくなる程の今日の午後の忙しさ。先生のオーラには物凄い気力と集中力がみなぎっている事が感じ取れる程。スゴイ熱気。

診察台にまったりと座っていたアンブロシアさんを触診し始めて、先生のオーラの熱が少しヒート・ダウンした様に思え、ちょっと驚いた。イヌ達には気持ちや心を癒す力がある事は知っているけれど、先生のあの熱気をこれ程下げるとは思わなかったのである。

そんな風に驚いていると、アンブロシアさんを触診していた先生から一言が・・・。

「奥歯が汚れていますね。。。」

やってしまった!この所歯磨きをサボっていたのである。あぁ~あ、今日の飼い主の成績表は落第点だ(恥)。まだまだ修行の足らない飼い主で苦労するね、アンブロシアさん。

歯磨きを忘れていた事以外、特に指摘は無く、健康状態に問題は無さそうなので、ようやく6種混合ワクチンを摂取して頂く。10歳を過ぎてからは、混合ワクチンも真面目に毎年受けるべし!という考えは改めなくてはならないそうだ。こちらの獣医師さんもその様に説明をしているが、昨今ではそうした意見を持っている獣医師さんが増えている様なので、気になる方は掛かり付けの先生と良く相談をされる事をお勧めする。

次にサクラちゃんの、追加予防接種を行う。こちらも6種混合ワクチン。診察台の上でも相変わらず緊張しているサクラちゃんは、めずらしく私の胸元に顔をうずめて助けを求めてみせた。いつもなら、他のイヌ達に助けを求めるのだが、今は私しか居ないと判断したのであろう。アンブロシアおばあちゃんは、診察台の下でまったりしていて頼りにならないとでも思ったのか(笑)?

最期にいよいよリマ君の退院なのだが、先にアンブロシアさんとサクラちゃんを車内に置きに行き、再び診察室に駆け込んだ。

大きなエリザベスカラーを装着し、元気一杯に飛び出てくるリマ君。私の顔を見るなり、目をキラキラと輝かせた。あれっ?喜んでくれるんだ?こんなヤツでも迎えに来れば喜んでくれるのか、キミは♪

しかし彼は先ず何よりも、そのエリザベスカラーを外してくれっ!!!と、私に訴えていたのである。「ここの連中はさ、全然聞いてくれなくて、コレ嫌だから外してくれよ!お前なら判るだろ?外してくれるだろ???」

と、大きなエリザベスカラーごと私にぶつかって来る(苦笑)。何度もエリザベスカラーで体当たりを続けるリマ君(汗)。やはり大型犬がこれを装着すると、凶器になるのである。そう、いつしか『ウエポン搭載・アンブロシアさん』なんてネタのダイアリ~を記述した記憶が甦る。

「リマ君、元気だねぇ。良かったね!」

と彼の訴えには気付かない素振りをし、知らん顔で声を掛ける。

診察台に載せ、テーピングを外して傷口を確認。まだ術後2日程度だからこんなものであろう。まずまずの状態で、今後も濡らしたり、汚したりしない様に気を付ける事となる。最低でも二日に1回は傷口にゲンタシン又はイソジンゲルを塗り(実際には傷口に載せる様につける)、その場所を保護する様に傷パッとを貼り、上から指と指の間が体重負荷によって広がらない様に、かつフンワリとテーピングをするという事を、実演して頂きながら復習する。

布製のドッグ・ブーツを一足、サービスで下さったので、汚さない様にそれを履かせ、室内では脱がすという事を指導される。テーピングしているテープは、通気性の良い質である事と、縫合箇所は清潔でかつ乾燥させる事が速く癒着する訳だから、ブーツを履かせっぱなしでは、通気という面で問題が生じるという事。

抜糸は手術部位が部位であるだけに、様子をみて抜糸する事とし、抜糸の期日はまだ決定しないが、術後の経過&管理状態を確認する為に、5日後の8月1~2日頃に来院するという事になった。

先生がおもむろに入院中の記録を見つめる。

「元気に散歩をし、食欲旺盛。今日の散歩では手術をした足を地面に着いた・・・」と読む。横でそれを聞いていたAHTさんが「そうなんですよ。この子、食欲旺盛ですね~。」と笑う。苦笑しつつ「この子、ピィピィと鼻を鳴らし続けませんでしたか?」と聞くと、彼女は笑いながら「はい、ずっと言ってましたよぉ。」と答える。

その身体に不似合いな、小鳥の様なピィピィと鼻を鳴らす鳴き声は、私の所でも始終である。保護主さんに連れられてドッグ・ホームに入園したその日から、ずっとだ。当初は今よりもずっと。朝から晩まで。深夜私が熟睡していても鼻を鳴らしていたのである(苦笑)。

彼なりに理由があるのか?と、必死にその理由を把握しようと努めたが、そのピィピィは癖でもある様子で、特に何もない時にも、要求のある時にも、いずれも区別無く同じ調子で鳴らすモノらしい。徐々に間が開く様にはなってきており、言いっぱなしでは無くなったのは今日この頃だった。最近では要求の時にだけピィピィ言うのだが、言わなくても要求しなくても、このホームではゴハンやトイレに困らないという事は覚えたのだろう。

そんな話をすると、AHTさんと先生に笑われてしまったリマ君である。

無事退院。診察室を出て、車に載せに行く。案の定、エリザベスカラーの大嫌いなアンブロシアさんが、これだけは苦手とばかりに毛を逆立てて唸ってみせる。保護以来、アンブロシアさんが自分に対してそんな風に怒った事は無かった為、リマ君は驚き、うな垂れたが、車には乗るんだ!と、アンブロシアさんと目を合わせない様にして車内に飛び込んだ。

とても後肢を手術したとは思えないパワフルさである。逞しいワンコだ。

待合室に戻り、お会計をする。

  •  リマ君の手術   入院(7/26~28)2泊3日・・・7,000円

                 注射料5回分・・・4,000円

                 内服薬(退院後の抗生物質)・・・720円

                 麻酔料・・・8,000円

                 指切除術・・・15,000円

                 去勢手術・・・15,000円

  • アンブロシアさん 6種混合ワクチン・・・6,000円
  • サクラちゃん 6種混合ワクチン・・・6,000円
  • エリザベスカラー(通常は無償レンタルだが、我が家では壊れる事が予測される為買取)・・・3,000円
  • テーピング用のテープ(一巻きを買い取り)・・・800円
  • ゲンタシン軟膏・・・1,200円

消費税: 3,336円    合計金額:  70,055円

思わず唸りそうな出費だが、別にボラレている金額では無い。あれもこれも原価で出して下さっているし、診察料・再診料すら取られてもいない上、去勢手術の料金も他の全身麻酔の手術と並行して行った為に通常よりも更に安い。いずれにせよ、リマ君が元気で、自分の足で生涯歩く事が出来るのであれば、安いのだ。そう思うことにしよう(苦笑)。それにしても、診察券を出した後にコンビニのディスペンサーで念のためにと貯金を崩してきて良かった・・・と安堵する(恥)。

すっかり暗くなり夜道帰路に着く。帰宅するのは午後9時過ぎだろうかと思うと、途中でコンビニに立ち寄って食事を買い、相変わらず運転しながらそれらをほおばり夕食を済ませる。動物病院がご近所だった頃が懐かしい。しかし住宅街でこの頭数のドッグ・ホームをやって行くのは難しい事だ。できる事なら、今よりももっと奥まった隣家の無い様な場所が更に理想的だけど、動物病院への道は更に遠くなるのか・・・。

などと思案しつつ帰着する。先ずはアンブロシアさんを降ろして、トイレをさせる。サクラちゃんもリードで係留してトイレをさせる。リマ君はジャリの少ない場所を歩かせてトイレを促すのだが、とにもかくにもそれどころじゃあなくて、この邪魔なものを外してくれ!と地面や車のボディー、柱や壁に激突して歩き、最後に私を目掛けて突っ込んでくる・・・(苦笑)。

相変わらずそれには知らん顔をして、トイレを促し、ようやく室内に全員を入れた。リマ君はバリケンネルに入れ、留守をしていた子達を庭に出す。食事の用意をし、食べさせた後に再び庭でトイレをさせ、落ち着いた頃合にハウスに戻す。

今日の世話は大体終わったのだろうか???と、ふと時計に目をやると既に11時近くになっていた。明日は近所で入院した方のお見舞いと称した集まりがあるので、早々に寝なくては・・・。長閑な地域には、古くからの良い風習や慣習も残っているのだが、若い世代が住んで居ないという事から、妙な形式で簡略されてしまった慣習も多い様である。ここで一年過ごしてきたけれど、未だに「?????」とチンプンカンプンな事柄があり、相変わらずご近所の何方かにいちいち教えて頂いてばかりいる私。例えば、葬儀に参列しご焼香する際に香典は『包まない』とか(特に親しい人だけで良いらしい)、入院した方にはお見舞金一律5,000円を包むとか???さっぱり判らず、先日葬儀でご焼香した際にはご近所なりの額を包んで持参してしまった私。それを出してしまった後に、近所の方々に口を揃えてそう教えられたのでした(苦笑)。

葬儀は○時から・・・とは伝わってきたけれど、そこまでは教えてくれなかったじゃないぃぃぃぃ~~~~(涙)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嗚呼、ワンコの飼い主としても未熟者だけど、人間社会でもなのかしら・・・・・・・・・・・・・・・・・(滝汗)???田舎暮らしって、違う意味でカルチャーショックを受けるものなのだ(笑)。

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2005年7月26日 (火)

リマ君の手術

朝9時半に自宅を出発し、病院に10時半頃到着する。11時まで近隣を散歩し、院内に入るが診察室に呼ばれたのは12時近くだった。

本日のリマ君の体重は・・・  23,1kg。7月19日に計った時の23,5kgよりも体重が若干少ないが、今朝の朝食を抜いてあるからであろう(笑)。いつも通り、食欲は旺盛で今朝も他の子達に与える間、リマ君には庭で遊んでいて貰ったのだが、頭の良い彼は察していた様で、お庭でずっとピィピィと小鳥の様に鼻を鳴らし続けていたのである。

「なんでボクだけゴハンが貰えないんだよ!忘れてるよ!」と。

リマ君はレトリーバーの様に食欲旺盛で、与えれば与えただけ食べてしまいそうな勢いの食べっぷり。今でも彼の体格や年齢よりは1.5倍多めの食事を与えており、カロリーも高いフードも混ぜている。食事は十分過ぎる量なのだが、痩せてしまっているだけに、何でも食べたいお年頃らしい・・・。今日も病院へ向う途中、時間短縮の為にコンビにでホットドッグを買って食べながら運転していたのだが(←イヌ達と行動を共にする際には、何時もこうなんですが・・・笑)、彼は私の背後でずっとピィピィ鳴いていたのである。

「ソレ、ボクにもちょうだい!!!お腹空いたよ!今日、ボクのゴハン忘れたじゃん!貰ってないんだよ!」と悲しそうにしていたのだ。

そんな訳で、食欲旺盛に違いは無く、元気一杯に「今日も旅行だ♪」と勘違いして楽しいドライブをしながら一人病院の診察室に連れて来られてしまったリマ君である。

さて、時間も時間だったので診察台で鎮静剤を打つ。11時40分。12時過ぎに執刀予定だったが、痩せていても体力のあるリマ君はなかなか眠らず、ピィピィと鼻を慣らし続け、12時30分を過ぎてようやく吸引麻酔が出来る様になる。

12時48分、いよいよ後肢の指関節にメスが入る。最期に縫い合わせる事を考慮しつつ、皮膚は丁寧に切り開かれた。指と指の間(ヒトで言えば薬指の位置=外側から二番目の指)である為、術後に体重の負荷が掛かる事も考慮しなくてはならない。7月19日にレントゲンを撮影し、その指関節の状態は確認したが、第二関節が炎症を起している状態である為、その部位を切り取るよりは、もう一つ上の関節から切除する方が望ましい(一般的にほとんどの獣医師さんがそういう見解を持つとのお話しだった)ので、指を元から肉球ごと切除するという手術である。

皮膚を余分に残し、肉を切り開き、指関節の元までメスが入る。午後1時、指関節の根元があらわになるとステンレス製のニッパー(?)で骨を切断した。やはり素人目で見ても、炎症を起している事がはっきりと判る骨。肉球ごと切り取られたリマ君のそれは、ホルマリン漬けにする。念のため、他の骨にまで影響を与えていないかを明確にする為、検査センターへ送られる事になっているからだ。

切除した部位をイソジンで消毒し、術後の後肢の筋肉の動きに違和感を出さない為(突っ張り感)、AHT(動物看護士)さんが一人、上部から筋肉の動きを手で確認しつつ、足首辺り足を掴む様に抑え補助する。もう一人のAHTさんは切除部分の止血カンシを適度な位置から持ってサポート中。これでも手が足らなくなれば、私の出番もあるのだが(笑)、幸い慣れたAHTさん達ばかりの病院なので、あくまでも見学に徹する。

切除部位の消毒を終え、余分な肉を切り落とし、形良く3本指に見える様な形状と、動きに少しでも違和感の無い様に整形し、1時06分、縫合開始。

縫合をしながら以下の説明を受ける。

可能性として、生涯びっこをするかもしれないという事だった。前肢の筋肉も保護より半月以上前から事故か何かで切断されてしまった為、右前脚も軽くびっこするのだが、右後肢も同時期に受けたと思われるこの怪我により、びっこで歩行していたので、手術をしてもしなくても彼はびっこでの歩行をする事になるのだが、右後肢の第二指関節が炎症を起したまま、切除もせずに放置していると、その骨や周辺に腫瘍が出来、それが広がっていく可能性は捨てきれない。

ならば、炎症又は腫瘍が広がる前に問題の部位を切除し、少しでも痛みや不快感を無くし、今後の半生も元気に自力歩行をさせる事を目的としている今日の手術。「絶対に治る」という様な保障は出来ないけれど、私は彼の生命力の強さに掛けているのだ。

がんばれ!リマ君。頑張ろうね!3本指だって、走れるもんね。

午後1時50分、右後肢指切除手術、無事終了。

リマ君の体勢を変えて、次は去勢手術の準備に入る。1時55分、局部周辺にバリカンを入れて毛を刈り、洗浄、消毒をする。2時05分、メスが入る。

大型犬なだけに、あっさりと取り出した(押し出す様に外部に出して切除する)睾丸は、大きい。先生もAHTさん達も「大きいですねぇ~。最近は小型犬や猫の去勢手術が多かったから、余計に大きく見えますね。」と、先ほどの手術より遥かに余裕の状態だ。特に目立つ点も、異常も見られないからでもある。

2時20分、たった15分で去勢手術は終了した。午後12時40分過ぎからのオペは、およそ二時間弱で無事終了。

去勢手術の縫合後に、先生からバンデージの方法を手ほどきして頂く。指切除を行った後肢の為だ。テーピングの力加減や、部位に適した方法を教わる。なるほどなるほど、思ったよりも、イヌ達の場合にはフンワリと巻きつけるのか・・・。

何時もなら術後、即日退院をして連れ帰り、自宅療養をさせる私だが、今回は手術の内容が内容だけに、二泊三日の入院を通常通りにさせて頂く事にする。そうこうしている間に、リマ君もぼんやりと目が覚めたらしく、私の手の匂いをかがせて、病院を出たのは午後3時だった。今日の手術の分の支払いは、後日退院の際にまとめて支払う事となった。

さて、朝9時半に自宅を出発し、帰宅したのは午後5時近くである。やっぱり動物病院に行くのは半日掛りになってしまうのだ。帰宅した時には、留守番をさせられた子達は、とっても怒っていた。

・・・それは、つい先日伊豆まで全員でドライブ&旅行をしたものだから、今日はそんな楽しいドライブでお留守番=置いてきぼりをくらったっ!!!と怒っているのだ(苦笑)。アンブロシアさんも、相当に怒っていたらしく、私の手の匂いやあちこちの匂いを嗅いでも、なかなか冷静に納得をしてくれない。お鼻の良い方達なのですから、病院の匂いを嗅ぎ取って欲しいのだが、今日は時間が掛かってようやく落ち着いた。

もちろん、帰宅後即座に「ごめんね!遅くなってしまって。」と、興奮するイヌに接触をしては、躾け上=教育上宜しくない。私は「ただ今」とだけ言って玄関から真っ直ぐ彼らの居るリビングを通り過ぎて寝室に入る。寝室で着替えたり、荷物を片付け、落ち着いた頃合を見計らってリビングに入るのだが、その何時ものパターン通りにしていても、今日は落ち着かなかった・・・という事である。

先日の旅行がよほど嬉しかったのであろう。また皆で旅行に行けるといいね♪

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2005年7月19日 (火)

 LIMA君=ホワイトMIX君

ホワイトMIX君の、ここでの呼び名が決まりました。

『 LIMA (リマ) 』 君です。

この素敵な名前は、保護主さんご夫妻に付けて頂きました。お二人が保護された今月の、7月5日(火)の『 5 』という数字にちなんで、だそうです。意味はマレーシア語で 「 5  = LIMA 」なのだとか♪そう言えば、ルナちん(ミニチュア・シュナウザー♀7歳)のお子チャマ達の中にも、 5月5日の午後5時50分に生まれた子が居て、その子の付けて貰った呼び名はフランス語で 「 5= CINQ (サンク) 」だったっけ(笑)!

さて、このアンブロシア・ドッグ・ホームにやって来て、およそ一週間が過ぎたリマ君。昨日はお散歩ボランティアさんをして下さるというご夫妻が早速やって来て下さったので(とっても助かりました。ありがとうございました!また是非宜しくお願いします♪)、先ずはプレイルームで7匹のワンコ&2匹の子ネコ達を遊ばせる時に付いていて頂いたのだが、時間が経過するに連れ、徐々にリマ君が自己表現を始めた様を観察する事ができた。

7歳になるエンデュミオン(オーストラリアン・シェパード♂)と、2歳のジャック(アメリカン・ピット・ブル・テリア♂)と、4歳のアルキメデス(ミニチュア・シュナウザー♂)との間に加わり、男の子達の序列をはっきりさせる為の力比べに積極的に参加を始めたのだ。

アンブロシア・ドッグ・ホームの園長さんでもある10歳のアンブロシアさん(ラブラドール・レトリーバー♀)の立場は、やはり不動のリーダーであるらしく、落ち着いて彼らのその行動を見つめていた。ルナちんも同様である。しかし、一番年下のサクラちゃん(柴ミックス♀)は、そんな重要なイヌ同士の順位を明確にする為の争いが行われているだなんてサッパリ気付かず、ドスバタ動く彼らの四肢を「面白いオモチャ」と言わんばかりに噛み付いてじゃれる(笑)。

男の子4匹は真剣勝負なので、そんなサクラちゃんの行動には気付かない。それを良い事に、益々サクラちゃんはいたずらっ子みたいにじゃれて噛み付くが、流石にずっとお邪魔していたのでとうとうバレてしまい、時折彼らに叱られたりする。サクラちゃんにとってはこれが良い社会勉強だ。

イヌ達の社会とは完全な『年功序列』で形成される。むろん、力の強いもの、身体の大きいものといった事もケースバイケースで考慮されるもの。イヌ達の中で、時と場合によって「年齢(年上か?年下か?)」又は、「力」とか、「身体の大きさ」というものが考慮され区別される細かい基準があるらしい。余談ではあるが、多頭飼育等でヒトが彼らの関係に係る際には、ほとんどのケース、ヒトもその年功序列に準じて接していれば彼らの概念や存在を否定しない様子である。それは、良いことや嬉しい事(撫でる、ご飯を貰うなど)、嬉しくない事や嫌な事(爪切り、歯磨きなどイヌが苦手な事など)をする(される)場合全てにおいて、という事である。

私の経験上、「先に飼った(住んでいた)イヌ」と、「後から飼った(加わった)イヌ」という図式である場合も、『年功序列』を尊守すべきなのではないか?という事だ。しかし、先のイヌ=先住犬よりも年上である2頭目を迎えた時から即座というタイミングで行っては、当然先に居たイヌ自身が、折角築いてきた「飼い主との信頼関係」を疑い始めてしまう為、当初はヒトがイヌに対して何かをする際には、必ず先住犬を優先するとベスト。しかし彼ら2頭だけで遊ばせる際には、ヒトは彼らのする事(序列争い)に一切関与しない事も大切な事である。

イヌ達にも人生経験ならぬ、社会経験といったものがイヌの頭脳をより向上させ、そして自らモノを考えるイヌになった子は「頭がイイ」イヌに自然となっているものである。ここでいう社会経験とは、ヒトがイヌに様々な経験を体験させる事も含まれ、またイヌ同士で学ぶ、特に仔犬の頃の社会勉強がモノを言うのも間違いは無い。

説明が長くなってしまったが、現在そういう勉強をリマ君とサクラちゃんは行っている・・・という事だ。またリマ君に関しては、身体が大きい事、力が強い事も考慮し、「何かに熱中している(イヌ同士で遊ぶなど)時」に、いきなりヒトに身体を触られるというトレーニングも行い始めた。先ずは、いきなり触ってどんな反応を示すかを試す。これはもちろん噛まれる可能性が高い事なので、くれぐれもなまじ安易な気持ちで真似をしないで頂きたい。もしも噛まれた場合に、即座に対抗し『ヒトがリーダーである』という事、『いかなる理由でもヒトを噛んではならない』という事を教えるべく確実な対処が出来る必要があるからだ。

「寝ているイヌを触ったり、尻尾を触ってはいけません」

こういう注意を以前は良く目にしたり耳にしたものである。私はこの思考は誤っていると思うのだ。何故なら、盲導犬は何時どんな状況であってもヒトに対して唸ったり、吠えたり、噛み付いたりしない躾け=トレーニングが施されているという事、ラブラドール・レトリーバーというイヌが全員天才&お利口だという事では無いという事を検討して頂ければお判り頂けるのではないかと思う。そう、結局はリーダーになる飼い主次第。貴方次第という事。

盲導犬だって、訓練所でトレーニングを終え、盲導犬として合格した後に、再度今度は盲導犬ユーザーさん(盲導犬の使用者さん)とマンツー・マンでのトレーニングを開始する。訓練所のトレーナーさんと出来た事が、ユーザーさんとのコンビになるとなかなか出来ない事もある。これはユーザーさんとのコンビを結成したばかりで、まだ信頼関係が築けていないからではあるが、既に盲導犬として『合格』をしているからには、出来ない訳では無いのだ。一度しっかり覚えた事は、コンビの相手が変わっても、正しいコマンド(指示語)を出し、日々信頼関係を築けは、同様に出来るという事である。

私は盲導犬のトレーニングや躾けをかなり参考にしており、また理想的なヒトとイヌの関係であると考えている。私達は「ラブラドールだからできる」とか、「盲導犬だからできる」といった考えは捨てるべきでは無いだろうか。勿論、我が家のワンコが盲導犬になる必要は無いのだが、彼らを見習う程のワンコに成長していれば、他人を噛んで傷付けて裁判沙汰・・・なんて事態は防げるハズなのだ。

幼い子供はいきなりやって来て、耳や尻尾を引っ張ったりする。彼らにも悪気は無いし、それを止めさせる事も難しい。自分の子や身内の子であれば、叱る事も容易だが、他人様の子供となるとそうはいかない場合が多い。目を離した隙に子供は触ってきたりするもの。ならば、噛まない躾けをしておけば良いのである。

噛んで良いものは、オモチャや与えられた食べ物だけ。

それを一つ一つ、丁寧に、根気良く教えて行けば良いのである。そういう事柄を前提に、私は先のリマ君のトレーニングを開始しているのだ。これはドッグホーム園長のアンブロシアさんを10年前に迎えた時から行っている事で、実際にそういうトレーニングを行ってきた中で、グレた子や、スネた子は居ない。それは後で必ず出来た時に『褒められる』からであろう。付き合いが長い子には、ついうっかり褒める事を忘れてしまう事がある。ちなみに、出来て当然、出来て当たり前・・・そんな風にいつしか馴れ合いで接してしまうとグレる事もある。なんだか機嫌が悪かったり、今まで無かったイタズラがあったり、あまり笑顔が見れなくなっていたら、それらを思い出す事を私はお勧めする。ワンコが幾つになっていても、改めて『グッド♪』『ヨシ♪』と心を込めて言って欲しい。心を込めてしっかり撫でて欲しい。すると瞬時にゴキゲンな笑顔で貴方の次のコマンドを待っているだろう。

「何する???お手?それともお代り???」とね(笑)。

リマ君にも、叱った後に、別のことで褒める事を繰り返し、信頼関係を保てる様に工夫する。かなり私のコマンドに耳を傾ける様になってきてくれたリマ君。頑張って楽しい犬生を送ろうね♪

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2005年7月10日 (日)

ニューフェイスの入園♪

161-6163_img 夜、ニューフェイスが入園した。ホワイトのミックス君である。この子の事情は以下の様なもの。早期に飼い主さんと再会できる事を願ってやまない。。。

数日前、この子を保護した方から相談の電話があった。保護した方は千葉県袖ヶ浦市にある集合住宅に県外から引っ越してきて、本当に間もない方。まだ新たな暮らしにも慣れてはいない。むろん土地勘もあまりないままだ。

袖ヶ浦市長浦駅の近くで、首輪をしているが足取りのおぼつかない、痩せこけたこの子を心配して保護した。身体のあちこちを負傷しており、何らかのトラブルに巻き込まれた様子が伺えたので早速、動物病院へと連れて行って下さった。

私も通っているあの掛かり付け獣医師さんの所だ。保護主さんご自身がお住まいの集合住宅での一時保護を大家さんにお願いしてみたが、やはり他の居住者さん達の手前、快い了解を得る事は難しく、長期間に渡って動物病院に預けるにも忍びない。そこで私の所へのレスキュー・ヘルプの依頼という連絡が来た訳だった。

そういう経緯でこの子は保護主さんに連れられて、この私設アンブロシア・ドッグ・ホームに入園しにやって来たのである♪動物病院で先生のご好意により、既に体外寄生虫(ノミ・ダニ)の駆除、及び体内寄生虫の駆除は済んでいた。外傷の為に化膿止めの内服薬(飲み薬)も3日間与えてある。

保護主さんが帰宅された後、ゆっくりお風呂に入れ、身体を清潔にしてやる。それほど皮膚は痛んでおらず、皮膚は丈夫だったと思われる。また油分の蓄積度合いを見ると、雨露で洗われていた可能性が高い。1回目のシャンプーは泡立たないが、2~3回目では泡も立ってきた。耳は2~3回ほど洗浄液により耳洗浄を施した。肛門腺はしっかり絞り、肛門膿がたっぷりと排出される。

さてこの子、右側ばかりに酷い怪我が偏っている。右前脚は捻挫したのか?筋肉も痛めているのか?足を上手に接地する事が出来ないでいる。痛がる素振りは見せず、気丈でいるが痛いであろうに・・・。また右後肢の爪が一本、爪の付け根辺りから上に向って折れ曲がっている。これは骨折なのかもしれない。歩行する様は、それらの脚をかばう様な歩き方だ。いずれの足先も、腫れているのが伺える。他の足先と比べると、ちょっとドラエモンみたいにふっくらと丸みをおびており、ちょっと熱っぽい熱さが判る。

また裂傷として、右前脚の付け根部分に穴の開いている傷がある。これはかなり深そうな傷であったろう。左前脚には縦に切れた傷跡が二つしっかりと見て取れる。

耳の中は外耳炎が酷い。立ち耳でこれだけの外耳炎という事は、戸外で雨に濡れたままの時間が長かったという事。放浪し自由にしていたのであれば、むしろ立ち耳であればここまでの外耳炎にはなり難いのだが、係留され雨露のしのげない場所で暮らしていたのであれば、この状態も納得が行く。

何頭ものイヌを保護して来たお陰で、だんだんと明確に経緯が推理ができる様になってきている。もちろん疾病に関しては、獣医師さんにとてもとても敵わないけれど(笑)。その他の面を・・・という意味だ。

さてこのミックス君は身体が大きい子だ。獣医師さんの推測で、現在の体重は21kgくらい(保護No,3=リッちゃん=オーストラリアン・シェパード♀と同じ位)。体格に見合った肉付きに戻った場合には、およそ23~25kgくらい(保護イヌNo,1=エンデュミオン=オーストラリアン・シェパード♂と同じ位)にはなるであろうという事。また年齢は推定で4~5歳という見立て所見であったとの保護主さんの報告。

確かに私の見立てでも、体重はそんな感じである。31kg位のアンブロシアさんほど骨格は太くないので、ざっと30kg未満の体重が理想であるのは確かだ。エンデュミオンと並んでみると、ほぼ似たような体格と骨格。ジャック(保護No,2=ジャック=アメリカン・ピット・ブル・テリア♂・・・体重=21kg)が並ぶと、全体的にこの子よりジャックが若干小さいな・・・という感じだ。

また年齢の推測だが私の見立てはこんな推理の上で行われている。アンブロシアさん(ラブラドール・レトリーバー♀10歳)との挨拶の仕方=少し敬意を払っている様子を見ると、アンブロシアさんよりこの子は年下であるという事。エンデュミオン(7歳)との挨拶の仕方を見ると、エンデュミオンが少し息巻いて見せるので、これは歳は近いけれど、この子がエンデュミオンよりも年下であるという事。しかし体格は近いけれど、ジャック(2歳)の態度は「遊ぼうぜぃ♪♪♪」という具合で明らかにジャックが年下であるという事が伺える。

丁度、中間の年齢層になるイヌがミニチュア・シュナウザーのアルキメデスで、4歳だ。この子との関係を見ていると、体格に明らかな差はあるが係り方を見ていると、4歳のアルキメデスの態度から、このミックス君が年上である事が伺える。

という事は、7歳未満で4歳以上という事に間違いないであろう。また皮膚や歯肉、歯の様子からの推測では、大型サイズのイヌの6歳という年齢には見えない。この5月で4歳になったアルキメデスよりも年上という補足を入れておこう。

すると必然と5歳前後という事か。

社会勉強をしているイヌ達は、こうして私の保護活動にとても貢献してくれている。彼らが存在しなくては私の保護活動なんて、これ程に発展しなかった事だ。保護イヌNo,1エンデュミオンを保護し、それっきりだったかもしれない事が、今はこうして彼らと共に日々精進あるのみ!という段階を踏んでいるのである。

私語はこの程度に留め、保護イヌNo,8のホワイトMIXのこの子、保護主さんの働きにより警察及び保健所への連絡は既に済んでいるが、飼い主さんからの届出はまだ無く、遺失物の届出だけを済ませてある。今後、保護した場所の近隣にある動物病院やその他で聞き込み、またポスターの掲示等で情報を求める予定だ。

この子の画像は、こちらからご覧下さいませ。保護主さんに撮影をして頂いていたものも含めてご紹介しております。

この子に関して何かご存知の方は当ブログのライター=管理人AMB MAM(アンブ・ママ)へ情報をお寄せ下さいませ。どうぞ宜しくお願い致します。

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